【第22回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「海外ニュース、斜め上の楽しみ方」 あっという間に新年度となりましたね。ということは、2023年の残りは4分の3!ちなみに「年度」は英語でfiscal yearですが、私は通訳者デビュー当時、「年」と「年度」を混同していました。他にも「4分の3」(three quarters)などの分数が同時通訳現場で出てくると今でも緊張します。この仕事はとにかく勉強が永遠に続くのだとしみじみ思います。 さて、今回のライフハックスでは、日ご...
保護中: 【第6回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『イニシェリン島の精霊』 【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2022年は映画館で190本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第6回の作品は『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督...
保護中: 【第2回】安全保障と防衛の日英通訳「空の防衛 ―対領空侵犯とミサイル防衛」 本連載は、日本の安全保障政策や防衛体制をまとめながら、防衛関連の日英通訳をする上で知るべき用語などを紹介していきます。気球の領空侵犯、弾道ミサイルの発射など、空の安全保障にかかわるニュースが相次いでいます。今回は、領空侵犯やミサイルへの対応など、空の防衛に関する理解を深めながら、耳にすることの多い主要な防衛装備について触れていきます。 領空侵犯への対応 日本の防衛力の役割のひとつに「...
【JIF2023】平山敦子「平山敦子のガジェット天国 THE TERPS ARE BACK IN TOWN!!! 〜ちょっぴり元に戻った世の中を快適に暮らし働くための最強アイテムたち〜」 平山敦子 英語の会議通訳者。かつて通訳雑誌のオンライン版にて同名の記事(「平山敦子のガジェット天国」)の連載をしていた。日々の仕事や生活を快適にしてくれるような機能性の高いアイテムを探すことに情熱を注いでいる。政治家、経営者、経済学者、建築家、アスリート、スーパーモデルの通訳など活動は多岐にわたり、その舞台も、同通ブースはもちろん、軍艦の操舵室から刑務所、ビッグベンの文字盤の裏側ま...
【JIF2023】中山桂「投資家目線の企業分析『任天堂』」 中山桂(なかやま かつら) フリーランス金融翻訳者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メリルリンチ日本証券株式会社にて債券、株式、転換社債、クレジット、オルタナティブの営業として機関投資家を担当。2001年にソニー銀行株式会社に転じ、自己勘定ポートフォリオでクレジット債を中心とした運用業務に従事。2006年よりIR、会計、投資関連を中心に金融翻訳、IRコンサルティングに従事。CF...
保護中: 【第34回】翻訳家ありのまま「表紙、本当に直してくれたんかい」 悪夢を見た。思いっきり腹が立つ悪夢で、あまりにも腹が立ったため、その怒りでハッと目が覚めた。恐怖で目が覚めたことは過去に何回が経験あったが、怒りで目が覚めたのは人生初だ。 いったいどんな悪夢なのかといえば、私の著書として出るはずだった本が、出版当日に私の名前が表紙に載っていないことが判明するという悪夢である。表紙には誰の名前も載っていない。えっ、これって何なの? と思いながら裏表紙を開くと...
【JIF2023】長井鞠子「通訳者に伝えたい『伝える極意』」 (撮影 織田桂子) 長井鞠子(ながい まりこ) サイマル・インターナショナル専属会議通訳者、同社顧問。仙台市生まれ。国際基督教大学在学中、1964年の東京オリンピックで学生アルバイトとして通訳を経験。その後、日本初の同時通訳エージェントとして創業間もないサイマル・インターナショナルの通訳者となり、東京2020大会でも招致からオリンピックに携わる。サミット、G20の同時通訳、国内外要人...
【第11回】 手話通訳士への道「未熟な社会と未熟な私 Vol .2」 前回は、適性試験の場での未熟な手話言語通訳者の川根を紹介しました。 今回も未熟な川根の紹介です。未熟な私の気づきの再確認といってもいいかもしれません。 前回、今回で、私の優れた通訳(?!)だけでは解決できないことがあり、解決のためには、みんなで、ろう者が困らない環境を作るために必要なことは何かを考え、共同して取り組む必要性について理解していただければ、目的達成です。 第4回で...
保護中: 【第17回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 夢は歌って踊って日中友好すること 踊りや歌に浮かれている時もあった。 「お店にあなたによく似た方がおられましたね。お兄さん?それともご親戚ですか?…」、訊かれたとたんにわたしはもう顔がポーっと熱くなった。 問いかけたのは、アジア舞踊とくにインド舞踊を中心とする榊原舞踊団を率いる榊原氏。わざわざ書店に訪ねてこられ、たまたまかれと顔を合わせたのだった。 わたしはその後数か月間...
【JIF2023】仁科恭徳「パラレルコーパスから見えてくること -辞書記述、翻訳ユニット、機械翻訳、そしてLSP-」 仁科恭徳 応用言語学者・コーパス言語学者。野菜ソムリエの資格や船舶免許も保有。最近は色彩(心理)学など他分野の研究にも従事している。英エクセター大学大学院応用翻訳学修士課程修了。英バーミンガム大学大学院コーパス言語学修士課程修了。英バーミンガム大学大学院より応用言語学博士号取得(Ph.D.)。京都府立大学共同研究員、立命館大学嘱託講師、明治学院大学専任講師、米ホープカレッジ客員交換...
保護中: 【第33回】翻訳家ありのまま「訳書のタイトル、誰が決めると思いますか」 訳書のタイトルって、いったい誰が決めると思いますか。訳者? それとも出版社? それとも訳者と出版社が相談し合った上で? で、最終決定権はどちらにあると思いますか? この点に関して私は次のように解釈している(あくまで私の解釈である)。すなわち「最終決定権は出版社にあり、ゆえに通常は出版社が一方的に決めるが、出版前に訳者に伝えることは伝える」。 最終決定権が訳者ではなく出版社にあると私が...
【JIF2023】劉彦甫「台湾有事とは何か ――台湾海峡問題の構造と未来」 劉彦甫 東洋経済新報社解説部記者。1994年台北生まれ、2016年早稲田大学政治経済学部卒業、18年同大大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。専門は台湾を中心とする国際政治経済、日本の台湾認識。2018年から東洋経済新報社に在籍し、企業情報部や報道部で電子部品や電機業界を担当した。2022年より台湾情勢とマクロ経済の専門記者として解説部に異動し、論説や解説記事を担...
【JIF2023】宮嶋敏子、川崎和子「通訳アサイン こちら側とあちら側 ―コーディネーターの目 クライアントの目― 」 宮嶋敏子 アイコネクション合同会社代表社員。埼玉県出身。オリンパス株式会社役員秘書、スポーツニッポン新聞社勤務の後、通訳エージェントを経て2015年5月にアイコネクション合同会社を設立。細々とコーディネーターを続け四半世紀。通訳者/翻訳者アサイン数はまもなく述べ1万件に。 川崎和子 アイコネクション合同会社代表社員。福島県出身。日系証券、外資系証券にて日本株式、...
【JIF2023】グレゴリー・ケズナジャット「翻訳と創作の間」 撮影:渞忠之 グレゴリー・ケズナジャット 作家、文学研究者。2017年、同志社大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。現在は法政大学グローバル教養学部にて准教授。2021年、「鴨川ランナー」にて第2回京都文学賞を受賞。最新作「開墾地」が第168回芥川龍之介賞の候補となる。両作品とも講談社から単行本として刊行。 翻訳と創作の間 通訳と翻訳の行為に携わる者の経験をいか...
日本通訳フォーラム2023 一般社団法人 日本会議通訳者協会(JACI)が毎夏主催する日本通訳フォーラムが今年も帰ってきます!今年も全セッション(20~25程度を予定)を遠隔でお届けします。リアルタイム参加が難しい方には、アーカイブ動画の見逃し配信もあります。日本通訳フォーラムは現役の通訳者・翻訳者や志望者、関係者に学びの機会を提供するとともに、通訳・翻訳の諸問題について対話を深めていくことを目的としています。 チケ...
保護中: 【第6回】日米同盟:防衛協定からグローバルパートナーシップへの道のり「日米同盟の再定義:冷戦後の秩序の模索」 【会員限定コンテンツ】 本連載は、戦後の対日講和から1990年代まで10年間ごとに整理し、2000年以降は各米大統領の政権ごとに日米同盟がどのように変化したか、そして、今後インド太平洋地域が地政学的に最も重要な地域となる中で、日米同盟が地域の平和と安定に貢献するための課題や日本を取り巻く多国間関係を紹介する。 第6回となる今回は、冷戦が終焉し、ソ連が消失・弱体化する中で、日米同盟がど...
第6回 JACI特別功労賞 長井鞠子 日本会議通訳者協会(JACI)は2018年に、通訳業および通訳業界に多大な貢献をし、その発展に寄与した個人および/または組織の功労を讃えることを目的に、JACI特別功労賞を制定しました。 厳正な審査を経て、第6回の受賞者は長井鞠子氏に決定しました。 長井鞠子(ながい まりこ) (撮影 織田桂子) 長井氏は日英会議通訳者の先駆者のひとりとして日々研鑽を重ね、日本の外交・産業...
第6回JACI特別功労賞 受賞者コメント 長井鞠子 (撮影 織田桂子) この度、日本会議通訳者協会からJACI特別功労賞をいただく、と聞かされ、私のようなものがいただいても良いのだろうか、と本当に思いました。 とはいえ、私は現役の日英会議通訳者としては最高齢の数人になっているのは確かで、長年続けて通訳者としてやってきたことに対する「頑張ったね」賞をくださるのかも、と思い直し、同じ世代の日英通訳者の代表として有り難くお受けすることにいた...
保護中: 【第16回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 第三章 中国再訪、青春の想い出 武漢広州日本商品展覧会 帰国して四年余り経った1957年の暮れ、再び中国を訪れる機会に恵まれた。北京と上海で開かれた日本商品展覧会に続き広州と武漢でも展覧会が開催されることになり、その準備段階から展覧会終了まで半年以上に及ぶ中国滞在の予定である。展覧会事務局で出品物リストの作成などのアルバイトをして数か月、訪中の朗報にわたしの心は躍った。 幼...
保護中: 【第43回】放送通訳の世界「交代のタイミング」 【会員限定コンテンツ】 「通訳者が一度に集中できる時間は何分?」 このような問いを私は通訳講座の冒頭で投げかけることがあります。返ってくる答えは実に様々。「3分」「5分」から「30分」「60分」など、幅広いものでした。 では具体的にどうでしょうか?確かに「3分」なら、どれほど難解な内容でも、とりあえず3分頑張って訳せば交代してもらえます。が、3分経てばまた自分の番が回ってく...
保護中: 【第32回】翻訳家ありのまま「翻訳書が出したいんじゃなかったんかい」 30代の頃の私は次々と著訳書を出しており、執筆と翻訳で多忙を極めていたが、そんな中でもあちこちの出版社に売り込みをかけていた。 血気盛んだった私はアポイントも取らずに、自分の著訳書を持参して出版社に突撃することもあったのだが、そのうちの一つがH出版であり、たまたまそのとき受付に現れたのがT氏だった。 見たところ40代のT氏は嫌そうな顔をしながらこう言った。 「すみません、今ちょ...
【第1回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「アラフォーの新人ですが大学院留学に挑戦します」 34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ、40歳になる今年、韓国の通訳翻訳大学院に留学することになりました――。 このように話を切り出すと、なぜ韓国語? なぜ通訳? なぜ大学院? なぜ留学?……などと絶えず質問をいただくのが、もはやルーティーンのようになっています。 私・中村かおり(なかむら・かおり)は2023年3月から韓国ソウルの梨花女子大学通訳翻訳大学院(修士課程・韓日通...
保護中: 【第5回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『バッドガイズ』 【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2022年は映画館で190本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第5回の作品は『ボス・ベイビー』などを手掛けてきたユニバーサル・...
「通訳デビュー!体験記~久保舞菜美」 自己紹介 みなさん、はじめまして。立教大学 異文化コミュニケーション学部3年の久保舞菜美と申します。大学では主に通訳、翻訳を勉強しており、学部の通訳者・翻訳者養成プログラム修了に向けてがんばっています。また学部生、院生が実際の通訳、翻訳のプロジェクトに取り組むサービスラーニング RiCoLaSにも在籍しています。将来はプロの通訳者になることが夢です。 きっかけ 本稿では現場デビ...
【第10回】手話通訳士への道「未熟な社会と未熟な私 Vol.1」 手話通訳を公の働きとして位置づけている手話通訳制度について第6回で紹介しました。 そして、第8回、9回で、憲法の描く社会像と未熟な個人意識、社会意識による現実の姿を考えてみました。 私たち手通訳の担い手は、制度的な位置づけから、より憲法に規定する人権、自由の守り手であり、平等の実践者であることが求められます。 私たち手話通訳の担い手の働きが、目指す社会像と現実の姿のはざまで展開...
保護中: 【第15回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 京劇代表団日本各地で公演 大学入試に失敗して落ち込んでいたのも束の間、次々と仕事が舞い込んできた。 貿易代表団に続き、1956年5月には中国訪日京劇代表団が来日。 京劇の名優梅蘭芳(メイランファン)を団長とする大型代表団で、朝日新聞社と日中友好協会の招待で実現した。5月下旬から53日に及ぶ日本滞在中、各地で計32回の公演が行われた。 訪日公演のパンフレット1956年朝日新...
保護中: 【第31回】翻訳家ありのまま「出版が遅らされ、支払いも遅らされ…」 すでに「未払い印税回収劇」を三度お話ししたわけだが、“出版された本”の印税は比較的回収しやすいのである。ところが、ずるずる出版を遅らされている場合は、出版されていないだけに回収が難しい。出版社側にしても“出版されてない本”は売り上げが上がってないわけだから印税を先払いするのは難しいだろう。だからずるずる出版が遅れることは出版社にとっても著訳者にとっても非常にまずいことなのだ。 その“ずるず...
保護中: 【第5回】日米同盟:防衛協定からグローバルパートナーシップへの道のり「日米同盟の幻想:冷戦構造の終焉による日米間の問題の露呈」 【会員限定コンテンツ】 本連載は、戦後の対日講和から1990年代まで10年間ごとに整理し、2000年以降は各米大統領の政権ごとに日米同盟がどのように変化したか、そして、今後インド太平洋地域が地政学的に最も重要な地域となる中で、日米同盟が地域の平和と安定に貢献するための課題や日本を取り巻く多国間関係を紹介する。 第5回となる今回は、再び米ソ対立が激化し、新冷戦と呼ばれた1980年代にお...
【3/19】NAT・JACI通訳ワークショップ【日英通訳・対面】 NAT(一般社団法人 新潟県通訳翻訳協会)とJACI(一般社団法人 日本会議通訳者協会)の初共催イベントです。 チケット購入はこちらから JACI会員には割引が適用されます。非会員の皆様も、この機会にぜひ正会員として入会を御検討ください。 日本会議通訳者協会 入会案内 <イベント概要>日時:2023年3月19日(日)10:00~15:00参加資格:なし定員:15人<講師>...
保護中: 【第14回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 中国への熱い想い 中国から帰国して一年余り、わたしの中国への想いは深く、中国語に飢えていた。高校に在籍しているものの、学校の勉強よりは夜間の倉石中国語講習会(日中学院の前身)などに行って聴講するなど、むしろ中国語を忘れまいという気持ちのほうが強かった。おそらく陳東海先生の授業だと思うが、老舎の『駱駝(らくだ)の祥子(しゃんず)』を朗読された時の美しい北京語(標準語)がいまでも耳にやさしく響...