第7回 JACI同時通訳グランプリ 入賞者の声

【学生部門】 グランプリ 松田佳奈(国際基督教大学) この度は、JACI同時通訳グランプリという名誉ある賞をいただき、大変光栄に思っております。 地元であるアメリカ・アリゾナ州で行われた裁判において、日英通訳の現場を目にしたことがきっかけで、「自分の知っている言語を使って誰かの力になりたい」と思うようになり、通訳者を志して国際基督教大学に入学しました。大学では日本語を学...

日本通訳フォーラム2025

一般社団法人 日本会議通訳者協会(JACI)が毎夏主催する日本通訳フォーラムが今年も帰ってきます! 2025年は対面(8月23日(土)開催)と遠隔(8月1日~31日の期間中)のハイブリッド形式でお届けします。リアルタイム参加が難しい方には、アーカイブ動画の見逃し配信もあります。日本通訳フォーラムは現役の通訳者・翻訳者や志望者、関係者に学びの機会を提供するとともに、通訳・翻訳の諸問題について...

【JIF2025】鈴木小百合「NOW&THEN エンタテインメント通訳の移り変わり」

鈴木小百合 東京生まれ。小学2年から中学2年までをオーストラリア、シドニーで過ごす。 帰国後、聖心インターナショナル・スクール中等部に編入し、72年に同高等部を卒業。国際基督教大学教養学部語学科で異文化間コミュニケーションを専攻。大学卒業後、広告代理店勤務、イベント会社勤務などを経て、フリーの通訳・翻訳家に。演劇の現場での通訳としてスタートを切る。 その後、ジョン・パト...

【第6回】探査工学から見た地球と宇宙「天然水素 ― 夢の資源になるか 」

日本は「水素社会」を目指している。二酸化炭素(CO₂)を排出しない「クリーンな燃料」として注目される水素は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた重要な柱の一つとされている。しかし、以前のコラムでも述べた通り、現在流通している水素のほぼ全ては石油や天然ガスなどの炭化水素から生成される「グレー水素」である。水素の生成過程で大量のCO₂が排出され、その多くが大気中に放出されているのが現状であり...

【JIF2025】矢澤竜太「AIエージェントで実現するゲームローカライゼーションのパラダイムシフト」

矢澤竜太 翻訳キャリア20年超の英日翻訳者。2010年代よりカンファレンス登壇などを通じゲーム翻訳環境の改善に取り組んできた。最高のゲームAI翻訳を目指す姿勢に惹かれてDMM GAME翻訳に参加。日々改善・進化に勤しむ。自称「翻訳AIの牧羊犬」。 AIエージェントで実現するゲームローカライゼーションのパラダイムシフト グローバル展開が標準となった現代のゲーム市場において...

【JIF2025】森万純、山崎美保「大使館通訳のリアル」

森 万純 在日米国大使館 広報文化交流部 通訳小学校高学年から高校1年生の夏までをイタリアで過ごす。上智大学外国語学部英語学科卒業。在学中にイギリス、Durham Universityへ交換留学。大学在学中より通訳のアルバイトを開始。ギャップジャパン株式会社の社内通訳、イタリア大使館勤務、フリーランスの会議通訳を経て、現職。米国大使館が主催する講演会やレセプションパーティー、表敬訪...

【結果発表】第7回 JACI 同時通訳グランプリ

第7回 JACI 同時通訳グランプリの結果を以下の通り発表いたします。 【学生部門】 グランプリ松田 佳奈(まつだ かな)国際基督教大学 準グランプリ小松 あろは(こまつ あろは)Middlebury Institute of International Studies at Monterey 【一般部門】 グランプリ赤染 輝羽音乃(あかぞめ きはねの) 準グ...

【JIF2025】キニマンス塚本ニキ「激動の時代を読み解く新用語をアップデート!」

キニマンス塚本ニキ 英語翻訳者、通訳者、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。東京で生まれ、9歳でニュージーランドに家族と移住。オークランド大学で映像学や社会学を学びながらフェアトレード事業や人権擁護NGOで働く。23歳で日本に帰国後、フリーの英語通訳・翻訳として独立。TBSラジオの帯番組「アシタノカレッジ」パーソナリティを3年間務め、朝日ウイークリーやDIMEなどでコラムを連載。 ...

【JIF2025】大川日登美「自治体付き通訳者としての心得と準備~都市間交流の現場から」

大川 日登美(おおかわ ひとみ) 奈良県出身。関西学院大学文学部英文科卒業。大学卒業後オーストラリアに渡り、現地の専門学校で農業・園芸を学ぶ。2017年3月サイマルアカデミー会議通訳科(旧同時通訳科)修了。現在は某自治体で通訳・翻訳職を務めながら、フリーランスの通訳も継続中。 自治体付き通訳者としての心得と準備~都市間交流の現場から とある政令指定都市付きの通訳を担当し...

【JIF2025】JACI アウトリーチ部「学生との通訳学習を通じたアウトリーチの魅力と喜び」

菊池葉子 裁判官を目指し司法試験に挑戦するも限界を感じ、語学のプロへ転向。通訳学校の過程を修了して「複業」フリーランス日英通翻訳者に。現在は、司法、心理学と建築分野を中心に活動。他にも大学、企業、専門学校や個人向けにもそれぞれの目的に沿った語学レッスンを提供。京都市在住。 神田雅晴 2020年に千葉のテレビショッピング会社で社内通訳として勤務を開始し、現在は宇宙...

第8回 JACI特別功労賞 受賞者コメント 鈴木小百合

JACI特別功労賞受賞に際して この度は名誉あるJACI特別功労賞に選出いただき、大変嬉しく思います。私は子供の頃から演劇と映画が好きで、その分野で仕事が出来ていることだけで十分満足しているので、このような賞は身に余る光栄です。 八歳の時に父の仕事の関係でオーストラリアのシドニーに移り住み、六年間現地の学校で学びました。初めはひとことも話せなかった英語を一年くらいで概ね話せる...

第8回 JACI特別功労賞 鈴木小百合

日本会議通訳者協会(JACI)は2018年に、通訳業および通訳業界に多大な貢献をし、その発展に寄与した個人および/または組織の功労を讃えることを目的に、JACI特別功労賞を制定しました。 厳正な審査を経て、第8回の受賞者は鈴木小百合氏に決定しました。 鈴木小百合(すずき さゆり) 鈴木氏は演劇現場での通訳者として、戯曲の翻訳者として、そして30年以上にわたり東京国際映画...

第7回 JACI同時通訳グランプリ(2025)予選通過者

厳正な審査の結果、以下の方が2025年6月22日(日)に行われる本選に進出することが決定いたしました。当日は体調を整え、実力を遺憾なく発揮されることを期待しております。 (以下、順不同) <学生部門> 井原 菜緒(Middlebury Institute of International Studies at Monterey)小松 あろは(Middlebury Institu...

【JIF2025】通訳相談会【対面&遠隔】

※相談員は変更になる可能性があります。 齋藤亜生子 上智大学仏文科卒、東京学芸大学大学院国語教育専攻中退。米国公立学校で日本語教育に従事後帰国。通訳養成機関受講後、現在は自動車、半導体、IR、再生エネルギー、ビジネス分野を中心に通訳。東京在住。 相談分野:子育てとの両立/女性のライフイベントとの両立/純国産な人(帰国子女でない人という意味)の英語勉強法/社内通訳とフリー...

保護中: 【第22回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方 『フレンズ&ネイバーズ』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2024年は映画館で140本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第22回の作品はコメディー要素のある犯罪ドラマかつ家族ドラマのシ...

【JIF2025】通訳機材展示・お試し会【対面・池袋】

バルビエコーポレーション株式会社 バルビエコーポレーション株式会社は通訳機材の角度から最高の通訳環境を追求するために設立された会社です。様々な通訳環境を常に検証し、学びを業務に反映することで改善を続けています。今回の通訳機材展示・お試し会では様々な展示機材を提供しますので、ぜひ多くの通訳者・通訳関係者の皆様に機材別の比較検討や試聴体験をしていただければ幸いです。 代表取締役 ...

【JIF2025】岩田晶子「分かったつもりを認識しよう――インドネシア語コミュニティ通訳の事例で」

岩田晶子(いわたあきこ) インドネシア語通訳歴20年以上。外務省通訳研修講師、名城大学外国語学部非常勤講師。二国間会議や省庁での会議通訳から医療・司法等のコミュニティ通訳まで幅広く担当し、近年はウェブ会議通訳にも多数対応。インドネシア大学への留学、京都大学大学院での地域研究を通じて培った社会文化的背景への理解を基に、文脈に応じた的確な通訳を心がける。通訳者養成や教材開発では、現場経...

保護中: 【第27回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「なんてったって体力」

【会員限定コンテンツ】 数年前にコロナが猛威を振るったころ、世の中はロックダウン状態。外出もままならず、誰もが気分的に打撃を受けましたよね。そのような最中、私が出会ったのが「落語」です。それまで私が抱いていた落語のイメージは「なんとなーく古い!」というもの。着物を着たご高齢の(失礼!)男性陣が首を左右に振りながら話し続ける、といった乏しい知識でした。 ところが、たまたま日曜夕方の「笑...

【第14回】シリコンバレー徒然通訳テクノロジーだより「Google カレンダーをさらに便利に使う方法 その1」

皆様お元気でお過ごしでしょうか。アメリカでは関税のドタバタや公務員のレイオフなどがあり、通訳現場でも「今は価格を決めるのは無理!」とか「少なくなった人数で多くの仕事をカバーしているから最終日は早く帰らせてほしい」とか、ダイレクトな影響を感じることが多くあります。また、出張でよく行く空港でトラブルが発生しているのもハラハラします。カンファレンスのなどは家からリモート通訳するケースも増えて臨場感が無...

【JIF2025】鳥山 稔「eスポーツの最前線を知る:社会を動かすチカラと関わり方」

鳥山 稔 1995年生まれ、石川県出身。2024年4月より大阪成蹊大学経営学部スポーツマネジメント学科講師。 大阪体育大学大学院にて、スポーツ消費者の態度や行動に関する研究を行う中で、eスポーツにも関心を持つようになる。2019年には、日本スポーツ産業学会にてeスポーツプレイヤーの心理的態度に着目した研究を発表。その後も複数の研究発表を重ね、2024年には日本スポーツ産業学会...

【JIF2025】山本志織「英米法・英文契約と法律翻訳のポイント」

山本志織 法律事務所パラリーガル(英文翻訳)。幼少期に英国及び米国に居住。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修了(英米法専攻・法学修士号)、米国テンプル大学ロースクール修了(LL.M.)。約20年間、東京の企業法務系の法律事務所のインハウス翻訳者として、契約書等の法律文書の英日・日英翻訳に従事している。2012年~2023年、日本翻訳者協会法律翻訳分科会(JATLA...

【JIF2025】平山敦子×シグマン・アリソン「もはや人体拡張?!ー通訳者の“限界突破”テクノロジー」

平山敦子 ウェブ連載「平山敦子のガジェット天国」(アルクのウェブマガジン「翻訳通訳のトビラ」にて2016年~2019年に掲載。現在はアーカイブのみ)の執筆者。 本業は会議通訳者。政治家、経済学者、スポーツ選手、スーパーモデルなど著名人講演の同時通訳経験も多数。通訳を目指したきっかけは大学在学中の語学スタッフのアルバイト。現役のプロ通訳者と同席、その仕事ぶりを目の当たりにし衝撃...

保護中: 【第21回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方 『リアル・ペイン~心の旅~』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2024年は映画館で140本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第21回の作品は、俳優のキーラン・カルキンが第97回アカデミー賞...

保護中: 【第26回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「はっぱの語源からBTSへ」

【会員限定コンテンツ】 元外交官の佐藤優氏。かつて鈴木宗男事件で連座する形で逮捕され、東京拘置所で512日間を過ごしています。ロシア専門家である佐藤氏は外務省時代からロシア語同時通訳者・米原万里氏と親交があったそうです。佐藤氏が釈放された直後、米原氏は佐藤氏に「あなたは絶対に作家になった方が良い」と強く勧めたとのこと。「外務省は貴重な人材を喪ったけれど、私たちは素晴らしい作家を得た」との趣...

【JIF2025】忍久保陽介、野沢里菜、上妻つぐみ「欧州通訳市場パネル」

忍久保陽介(しのくぼ ようすけ) ロンドン在住日英通訳者。在英40年。2000年からフリーランス通訳者として活躍。2015年に英国法人Stealthways Limited 設立。ロンドン大学の生物化学科卒業後、夢だったセッションミュージシャンになることを目指して、米エレキギター専門学校のMusicians Institiuteに一年間通う。毎日10時間の練習に充実感を覚えるも、周...

【JIF2025】中山桂「投資家目線の企業分析 第7回『アシックス』」

中山桂 中学時代の1年半をジャカルタで過ごす。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メリルリンチ証券東京支店にて債券、株式、ディストレスト等の営業に携わった後、ソニー銀行にてクレジット運用業務に従事。2006年に翻訳・IRアドバイス業務を行う有限会社ピィファ・パートナーズを設立。現在は金融翻訳のほか、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の講師として大学等で金融リタラシー講座を行う。 ...

【JIF2025】柴原早苗「いつだって苦し紛れ!放送通訳のブースから」

柴原早苗(しばはら さなえ) 放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2024年米大統領選では大統領討論会、トランプ氏勝利宣言、ハリス氏敗北宣言、トランプ大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・...

保護中: 【最終回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「令和7年薬機法改正-次の5年に向けて」

【会員限定コンテンツ】  薬機法は施行後5年ごとに改正される法律です。本稿執筆時点(2025年3月末)は国会の会期中で、今国会で改正法案が成立する見込みとなっています。そこで今回は、医療機器薬事の通訳の連載最終回として、成立見込みの改正薬機法の内容について扱い、次の5年の薬事行政動向を考えます。  今回の薬機法改正では、医薬品に関する改正が主な論点ですが、医療機器もそれに付随して規制...

保護中: 【第20回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方 『モアナと伝説の海2』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2024年は映画館で140本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第20回の作品はディズニー・アニメーションの新たなヒット作となっ...

保護中: 【第25回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「思い込みってコワイ」

【会員限定コンテンツ】 私が放送通訳者としてデビューしたのは1998年6月のこと。「イギリスで仕事をしたい!」という思い「だけ」でBBC日本語部(当時)の求人をThe Japan Timesで見つけ、応募したことから始まりました。それまで私はテレビ局に一歩も足を踏み入れたことすらなかったのです。日本の小学校に通っていれば、場合によっては「社会科見学でテレビ局へ」ということもあったでしょう。...

保護中: 【第20回】あの通訳研究って、実際どうなの?「トランプ大統領の政策に揺れる世界」

【会員限定コンテンツ】 まもなく2024年度も終わりとなります。桜の便りも来週には聞かれるようで、旅立ちの季節でもあり、4月からの新しい出会いに心ときめく時間でもあります。しかし、世界は落ち着きのない状況が続いています。 この原稿は、本来であれば2月末にお届けしなければならないものでしたが、年度末に加え海外出張が入ったことから、期限を延ばして頂きました。関係者の皆さまには大変ご迷惑を...