柴原早苗, Page 3

保護中: 【第19回】放送通訳の世界「やってて良かった!放送通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳というのは、知的好奇心を満たすことのできる最高の仕事だと私は思っています。私の場合、ひょんなきっかけからこの世界に足を踏み入れたのですが、たとえ生まれ変わったとしてもまたこの仕事に就きたいと心から思っています。医師や弁護士のような国家資格はありません。必要なのはたゆまぬ向学心と好奇心、そして経験です。さらに付け加えるなら体力と気力、切り替え力といったところでしょう...

保護中: 【第18回】放送通訳の世界「アメリカ大統領一般教書演説」

【会員限定コンテンツ】 日本時間の2020年2月5日水曜日11時。トランプ大統領の弾劾裁判が続く中、大統領による一般教書演説が始まりました。これは日本で例えるなら「首相の施政方針演説」に似ています。これまでの1年を振り返り、達成してきた項目、さらに今後の展望などを説明するのがState of the Union address(一般教書)です。略してSOTUと表記するメディアもあります。 ...

【第9回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間別メニュー」

2020年が始まりました。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アメリカでは大統領選挙が、芸術面ではベートーベンが生誕250周年を迎えるなど、色々なことが控えています。私自身、本年も健やかに通訳業務に勤しみたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、1月に入ってから早や数週間が経過しましたが、みなさん、調子はいかがでしょうか?「元旦に計画を立てたけれど、うーん、...

保護中: 【第17回】放送通訳の世界「テレビ同通」

【会員限定コンテンツ】 日本では現在、複数のテレビチャンネルで海外のニュース番組を観ることができます。通訳者の名前が画面上に出るかはそれぞれの局次第です。私が過去から現在に至るまで携わってきたのが英BBC、米CNNおよび米CBS Evening Newsですが、自分の名前が出るのはCBS Evening Newsのみとなっています。 ところで先日、私はBS日テレの「深層ニュース」という...

保護中: 【第16回】放送通訳の世界「日頃の訓練法」

【会員限定コンテンツ】 会議通訳であれ放送通訳であれ、「通訳」という行為に変わりはありません。「話者のメッセージをとらえること」「効果的な言葉で聴き手に伝えること」は共通しているからです。 では「放送通訳者らしく」通訳する上ではどのような訓練が必要でしょうか?今回は私自身が日常的に心がけていることをご紹介します。参考にして頂ければ幸いです。 1.アナウンサーらしく話す かつてロ...

【第8回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間泥棒撃退法」

この仕事をしていると「時間」にはどうしてもシビアになります。現場に遅れないよう、私など心配で1時間前には到着してしまいますし、同通時に数秒でも間が空いてしまうと自分の通訳力不足を痛感して焦ります。大量の書類がドサッと宅配で届き、「ああ、読まなくては」と思いつつも、なぜか掃除・洗濯・カーテン洗い・窓の桟拭きなど、どう考えてもプライオリティが低いことに関心が向かい、「ああ、また時間不足に」と嘆くことも...

保護中: 【第15回】放送通訳の世界「すべてはつながっている」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳というのは、本番になるまでどのような話題が飛び出すかわかりません。もちろん、当日の新聞やインターネットのニュースを見て予想をすることはできます。しかし、突発的な出来事が発生することもあります。事故、事件、国家元首の演説など、自分の「予習」と「山かけ」がことごとく外れる、ということもあるのですね。 よって、極端な見方をすれば、「自分がこれまでの人生で経験し...

保護中: 【第14回】放送通訳の世界「トラブル対処法」

【会員限定コンテンツ】 CNNやCBS Evening Newsの場合、同時通訳ブースには一人で入ります。私が携わるCNNでは3時間シフトを2名で担当し、30分ないしは15分で交代しています。一方、CBS Evening Newsは番組自体が30分であるため、一人で30分間通訳をします。CNNもCBSも同室に他の通訳者やスタッフは入りません。自分がいったん同通ブースに入った以上、何があっても...

【第7回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「疲労回復法」

通訳の仕事というのは何かと疲れがたまりますよね。特に私の場合、一番最初に疲労感を覚えるのが首、肩、背中です。発声しながら知らず知らずに力が入っており、ガチガチになってしまうのでしょう。ヘアサロンのマッサージではいつも「鉄板みたいですね」と言われてしまいます。今回の「ライフハック」では8つの疲労回復法をご紹介いたします。 1.水を一日1リットル以上は飲む 用意するのは空の1リットルPETボトル。...

保護中: 【第13回】放送通訳の世界「たかが読み方、されど読み方」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳の場合、一つのテーマだけが出てくるわけではありません。政治、経済、スポーツ、芸術、医学など、ありとあらゆるトピックが登場します。よって、日頃から様々な分野にアンテナを張り、何が出てきても驚かないようにしなければなりません。そうなると「紙新聞を読む」というのも立派な仕事です。何しろ見開きで一度に大量の情報が視界に入るのが紙の利点。ネットよりも素早く情報を手に入れ...

保護中: 【第12回】放送通訳の世界「アイドリングからいきなりトップギア」

【会員限定コンテンツ】 今年の2月から3月にかけてはいくつかの大きな出来事のため、民放の地上波局に詰めていました。米朝首脳会談とカルロス・ゴーン被告保釈です。 米朝首脳会談の場合、いつ記者会見が行われるかは直前までわかりませんでした。こうしたサミットでは、会談の流れによっては後ろ倒しまたは前倒しになりうるのです。現地から少しずつ情報は入っては来たのですが、何しろ流動的。よって、朝から夜...

【第6回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「どうする?ポイントカード」

本コラムでは「快適な日々を過ごせるちょっとしたヒント」をご紹介しています。ただでさえ慌ただしい通訳業務ですので、せめてそれ以外の部分でスッキリ清々しく暮らしたいですよね。今回のテーマは「ポイントカード」。スタンプカードも含みます。 今の時代、スマートフォン一台あればお財布を持ち歩かなくても済むようになりました。お財布代わり、会員証代わりにもなってくれるのがスマホの強みです。ただ、そうは言えど...

保護中: 【第11回】放送通訳の世界「放送通訳現場で心がけたいこと」

【会員限定コンテンツ】 私が普段担当する放送通訳の現場は、基本的に「たった一人でブースに入る」という形式をとっています。通常の国際会議、しかも長丁場であれば2人以上で通訳をしますよね。けれどもCNNやCBS Evening Newsの場合は一人で30分間、同時通訳をしていくのです。「急に咳き込んだので交替」「訳語に詰まったのでパートナーのサポートに頼る」ということができないのが特徴です。とに...

保護中: 【第10回】放送通訳の世界「因数分解したい」

【会員限定コンテンツ】 高校入学直後の数学テストで赤点を取り、「自分は決して理系人間にはなれない」と思いました。以来、授業はちんぷんかんぷん。2時間の通学時間ということもあり、授業中はひたすら寝ていましたね。大学受験も迷うことなく文系へ。数学用語を耳にするだけでいまだに緊張してしまいます。 とは言え、今回の本コラムでは「因数分解」という語をあえて用います。文系的に言うのであれば、「書き...

【第5回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「新幹線出張術」

通訳業に限らず、移動が多いビジネスパーソンも読者の中にはおられることでしょう。そこで今回は新幹線での移動をメインに出張術についてご紹介します。東海道新幹線をメイン拠点に書いております。あらかじめあしからず・・・。 1. 指定席券は買っておく 以前、新神戸まで日帰りで出かけたときのこと。早朝の新幹線に東京駅で乗車しました。数分おきに東海道新幹線は出ています。自由席でも大丈夫と思い、指定席は買って...

保護中: 【第9回】放送通訳の世界「名称、どうする?」

【会員限定コンテンツ】 私が携わる放送通訳現場は、いわゆる「完全生同通」です。事前に記者のレポートなどを見たり、ボイスオーバー用の原稿を作ったりする時間はありません。まさにぶっつけ本番。何が出てくるかわかりませんので、「生=ライブ」というわけなのです。運が良ければ前の時間帯に放映したニュースを職場備え付けのDVDプレーヤーで見ることはできます。けれども準備時間が少ないため、一回視聴できればラ...

【第4回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「体調管理」

「通訳者になるために必要なことは何ですか?」というお尋ねをよく受けます。おそらく「英文法」「語彙力」「日本語力」などといったお答えを期待されているのでしょう。もちろん、語学や知識に関する能力も大切です。けれども私は通訳者の必須項目として「体力」を挙げています。万全な体調があって初めて良きパフォーマンスができるのであり、それがお客様のご満足につながると考えているのです。 そこで今月は「体調管理...

保護中: 【第8回】放送通訳の世界「句動詞、あゝ句動詞」

【会員限定コンテンツ】 同時通訳の勉強を始めたころ、先生に言われたことがあります。「知らない単語は聞き取れない、聞き取れない単語は訳せない」です。そもそも勉強不足でその語彙を知っていなければ、聞き取ることも難しくなります。リスニングが不十分であれば訳すことはできないのです。 放送通訳現場は基本的に一人での作業です。私はCNNとCBS Evening Newsを担当していますが、30分間...

保護中: 【第7回】放送通訳の世界「世界ニュースから日本を見ると」

【会員限定コンテンツ】 「通訳」にも様々な分野があります。国際会議、商談、通訳ガイド、法廷、コミュニティ通訳などです。中でも放送通訳の場合、事前の準備原稿はなく、キャスターの英語スピードも世界最速と言われます。また、私が携わる局では一人でブースに入ります。パートナー通訳者のサポートもありません。そう考えると、緊張感の非常に高い職種と言えるでしょう。「ストレスがたまりませんか?」と尋ねられます...

【第3回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時短家事」

同時通訳をしているとき訳語に詰まると非常に焦ります。たとえ数秒間でもとてつもなく長く黙っているように思えるのです。あとで自分のパフォーマンスを聞き直してみると、黙っていたのはせいぜい2秒ぐらいで、聴衆としてはさほど気になりません。けれども本番中の沈黙はコワイのですよね。一方、日常生活での時間の感覚はまた異なります。「気がつけばネットサーフィン」で数十分も費やしてしまうのです。時間というのは主観的な...

保護中: 【第6回】放送通訳の世界「目・耳・口・手はフル稼働」

【会員限定コンテンツ】 私は放送通訳者になる前、ガイド通訳やビジネス通訳、セミナーの同時通訳などに携わっていました。今も機会があればそうした仕事を請け負います。ただ、ここ数年は指導することも増えたため、割合は少ない状況です。放送通訳は大好きな仕事で、20年以上続けてきました。 通訳デビューをする前の若かりし頃、雑誌で「通訳者の鞄の中身」という特集を読みました。その中で興味深かったのが「...

保護中: 【第5回】放送通訳の世界「東日本大震災、その時スタジオは」

【会員限定コンテンツ】 世界の中で大きな出来事が発生すると、そのとき自分がどこで何をしていたかが強烈に記憶されます。私の場合、ダイアナ妃死去、ニューヨークの9・11事件、そして東日本大震災の3つが自分の心の中で一定の位置を占めています。 2011年3月11日の数日前から予兆は感じていました。それまでとは異なる激しい揺れが何度か起きていたからです。これを受けて我が家では、念のため巨大地震...

【第2回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「手帳術」

今月は「手帳」に関してお伝えします。みなさんはどのような手帳をお使いですか?今の時代、アプリや多機能型デジタルツールなど、スケジュール管理も多様化しています。それでもなお「紙の手帳」に私はこだわります。 1.なぜ紙の手帳? もちろん人それぞれ好みは異なりますが、私の場合、「自分の手で書いたこと」は強烈に記憶されます。手帳を開き、日付を確認しながら仕事の予定を書き込むことで、いつ・どこで・どの...

保護中: 【第4回】放送通訳の世界「トラブル発生!どうする?(内容編)」

【会員限定コンテンツ】 通訳の仕事をしていると、「わっ!どうしよう?」という事態に直面することが少なくありません。先月は機材トラブルについて書きましたが、不可抗力だけでなく、自分の知識不足、語学力欠如による「大変な状況」に遭遇することがあります。そこで今回は、通訳内容の観点から私が経験したトラブルとその対処法についてお話します。 「内容」面で苦戦するときには、おおむね3つのパターンがあ...

保護中: 【第3回】放送通訳の世界「トラブル発生!どうする?(機材編)」

【会員限定コンテンツ】 通訳者としてデビューした当時、通訳学校の先生や先輩方に口を酸っぱくして言われたのが、「マイクの取り扱いには気を付けること」でした。スイッチの入れ忘れ・切り忘れという初歩的なミスにより、通訳のアウトプットにも影響が出てしまうからです。放送通訳の現場も同様です。そこで第3回は機材によるトラブル発生について見てみましょう。トラブルは「自分が原因」「自分以外が原因」の2つに分...

【第1回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間管理」

私はこれまで時間管理術や手帳術などで試行錯誤してきました。今回は時間の使い方に関して日頃心がけていることをご紹介いたします。参考になれば幸いです。 1.手帳は常に開いた状態で 私が愛用しているのは4月始まりの紙の手帳です。これは指導先の大学が4月から新年度であるためです。最近は1月、4月、9月始まりなど手帳も多様化していますので、自分にとって使いやすいものを選ぶと良いでしょう。私は「今日の...

保護中: 【第2回】放送通訳の世界「放送通訳業務の流れ」

【会員限定コンテンツ】 「放送通訳の世界」へようこそ!第2回は「放送通訳業務の流れ」です。例として私が携わっているCNNシフトのとある一日をご紹介しましょう。 2018年1月8日月曜祝日。私が入ったのは午前7時から10時のシフトでした。放送通訳者はあらかじめ人材派遣会社(エージェント)に登録し、トライアル試験を受けてからデビューをします。私がCNNに携わるようになったのは2004年です...

【第1回】放送通訳の世界「放送通訳ってナニ?」

「首回りがガチガチですね。どんなお仕事なさっているんですか?」 「声を出す仕事です。」 「じゃ、声優さんですか?」 「…いえ、…あの、実は放送通訳です。」 「わぁ、英語できるんですか~!カッコいいですねえ」 マッサージ店での施術が始まると、たいていこのような会話が交わされます。「通訳」という職業は、「英語が堪能」と周囲から見られるようですが、こと私に関する限り、語学力...

【JIF2017】柴原早苗「今こそアナログ志向で~放送通訳に求められること」

柴原早苗 放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳業に従事。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富...