柴原早苗

保護中: 【第31回】放送通訳の世界「ごほうび通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳の仕事というのは、人材派遣会社(エージェント)に登録するところから始まります。デビュー前の私は大学で通訳の授業をとったり、民間のスクールに通ったりしましたが、それだけでは登録できません。自分なりに経験を積み重ねて業績を増やすことが必須なのです。そこで私は複数の自治体の国際交流協会にボランティア通訳者として登録し、ボランティアの回数を増やしました。また、正社員時代...

保護中: 【第30回】放送通訳の世界「大文字?小文字?」

【会員限定コンテンツ】 普段担当しているCNNの放送通訳で、実は難儀していることがあります。デビュー当時から今に至るまで変わりません。それは、「画面下のヘッドラインの文字がすべて大文字であること」です。 たとえば、 "CORONAVIRUS CRISISHOSPITALIZATIONS UP 225% SINCE EARLY JUNE IN ONE MISSOURI CITY;...

【第15回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「心の不調と向き合う」

現役の通訳者の方、あるいは通訳の仕事に就くことを目指しておられる方の共通点は何でしょうか?それは「頑張り屋さん」であることだと私は思います。「勉強が好きで好奇心旺盛」「夢に向かって計画を立てて実行したり、細かいことまで丁寧に調べたりすることに喜びを感じる」というタイプが多いと思うのですね。向上心は尊いですし、謙虚になりつつ目の前のことに全力を尽くすことは、生きがいをもたらしてくれます。 た...

保護中: 【第29回】放送通訳の世界「単語との付き合い方」

【会員限定コンテンツ】 「通訳者に必要な能力は何ですか?」 このような質問を私は授業で尋ねることがあります。答えとして挙がってくるのは文法力、語学力、知識、即応力などなどです。そしてもちろん、「単語力」という回答もあります。事実、単語をそもそもわかっていなければ、目的言語に訳すことはできませんよね。どれだけ知識があったとしても、単語の意味を理解してそれを瞬時に目的言語に訳出できなけれ...

保護中: 【第28回】放送通訳の世界「スクリプト、使う?使わない?」

【会員限定コンテンツ】 4月29日(日本時間)にアメリカ議会ではバイデン大統領の演説が行われました。私はその日、とある放送局で同時通訳を仰せつかり、大統領の今後に向けての方針を訳す機会に恵まれました。そこで今回は私が行った準備および「当日のスクリプト」に焦点を当ててお話いたします。 まず、政府要人の演説の場合、ご本人は原稿が映し出される「テレプロンプター」という機械を見ながら話を進め...

【第14回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「アイデア次第で快適に」

前回のライフハックスでは私自身が工夫している生活の知恵をシェアさせていただきました。あれから数か月。実は少しずつ自分の持ち物を見直しており、使っていないものや、自分にとっての「卒業」となるモノを処分し始めています。中でも大きかったのが、「自分の掲載誌や投稿の文章」です。以前の私は自分が寄稿した文章などをすべてボックスに入れ、満杯になれば日付を記載して保管していました。「いつか読み返すかもしれない...

保護中: 【第27回】放送通訳の世界「コワい数字」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳業務、いえ、通訳全般において緊張することは数々あるのですが、中でも私の場合、一番テゴワイと思っているのが「数字」です。「なぜ?数字というのはoneからtenおよびthousandやmillionといった単語だけでしょ。だから、ラクなのでは?」と思われる方、ぜひ放送通訳者の悲哀(?)をお読みいただければ幸いです。具体的に見ていきましょう。 (1)数字間...

保護中: 【第26回】放送通訳の世界「ツライ放送通訳とは?」

【会員限定コンテンツ】 「どうしてもロンドンで働きたい!」という思いゆえにThe Japan Timesの求人欄で見つけたBBC World日本語部の「放送通訳者募集」広告。テレビ局の社会科見学はおろか、どこに在京のテレビ局があるのか知らなかったほど、当時の私はマスコミとは無縁でした。それでも「絶対にイギリスに行きたい!」という思いが採用担当者に通じたかどうかは不明ですが、1998年から2...

【第13回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「生活の知恵あれこれ」

最近私は「発達障害」に興味があり、色々と本を読んでいます。中でも非常に参考になったのが、「発達障害サバイバルガイド」(借金玉著、ダイヤモンド社、2020年)でした。発達障害というのは外見だけではなかなか理解してもらえず、その一方で当事者であるご本人たちは、生きづらさや生活の規則正しさの送り方などにおいてとても苦労しておられます。本書にはどのようにしてサバイバルできるかが47のヒントとして綴られて...

保護中: 【第25回】放送通訳の世界「コロナになってからの放送通訳」

【会員限定コンテンツ】 昨年のちょうど今ぐらいだったでしょうか。「中国のとある地域で今まで聞いたことのないインフルエンザのような症状が出た」という第一報がニュースで流れました。私自身は「今までも豚・鳥インフルエンザや各種インフルエンザが猛威を振るったけれど、収まったものね。だから今回も中国内で済むのでは?」と思っていたのですね。 ところが状況は緩和されるどころか、どんどん拡大していき...

保護中: 【第24回】放送通訳の世界「アメリカ大統領選挙」

【会員限定コンテンツ】 4年に一回、オリンピックと同年に行われるアメリカ大統領選挙。例年であれば、夏に五輪ニュースと私は格闘しつつ、選挙ニュースへの対応も迫られています。今年は東京五輪が延期になったためか、いつも以上に米国大統領選挙のニュースが多くなりました。アメリカの大統領選は仕組みも複雑であり、用語も色々とあります。 そこで今回は、放送通訳の世界から見た大統領選挙と私の経験につい...

【第12回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「紙新聞の活用法」

今や電子版の方が紙版より購読者数が多いとさえ思える「新聞業界」。私が通訳者デビューしたころはネットすらない時代ゆえ、情報源は紙新聞でした。「新聞ダイジェスト」なる切り抜き集大成のような雑誌もありましたね。昔は紙新聞・紙雑誌、そして図書館の縮刷版を重宝しましたので、隔世の感があります。ではなぜ通訳者として紙新聞を重宝できるのでしょうか?今回は紙新聞の活用法をご紹介いたします。 1.視認性の良...

保護中: 【第23回】放送通訳の世界「ボイスオーバー」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳は細かく分類すると「時差通訳」「半生同通(はんなまどうつう)」「生同通(なまどうつう)」があります。時差通訳は事前にニュースの動画を視聴し、日本語原稿を作成し、本番でその動画に合わせるというものです。一方、半生同通は原稿を作成する時間はないものの、1、2回は動画を視聴した上で本場に臨みます。いずれもNHK-BSの海外ニュースで用いられているのですね。この場...

保護中: 【第22回】放送通訳の世界「さあ、違いはどっち?」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳と会議通訳。この大きな違いは「同じ空間にパートナーがいるか否か」だと私は思っています。かつて国際会議の同時通訳をメインに稼働していたころは、常に先輩や同僚通訳者の存在がありました。同じ狭いブース内でサポートをしながら、ハードな一日を乗り切るというものだったのですね。用語のすり合わせをしたり、難解な用語を速攻で辞書で調べたり、めまいがするような数字のオンパレ...

【第11回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「本の読み方」

通訳者にとって大事なのは、「業務当日までどれぐらい沢山準備しているか」です。依頼の連絡を受けた時点で仕事は開始していることになります。よって、通訳料金というのは「当日だけの業務料金」ではなく、「依頼時点から当日に至るまでの準備時間を含めたのがギャラ」であると言えるでしょう。 私が準備段階でとりわけ意識しているのが、「いかに広く浅く狭く深く(と言うと結局『トータルに』ということになるのですが...

保護中: 【第21回】放送通訳の世界「負担無き放送通訳をめざして」

【会員限定コンテンツ】 私が普段シフトで入っているCNNでは、通訳者が一人でブースに入ります。通常の会議通訳であれば二人一組となり、パートナーがサポートに回りますよね。けれどもニュース現場では一人体制なのです。CNNの場合、30分を一人が担当し、時間になるとパートナー通訳者が控室からそっとブースに入ってきます。そこでお互いに目配せをしながら挙手をして引き継ぐという形をとっています。たったひ...

保護中: 【第20回】放送通訳の世界「使命感について考える」

【会員限定コンテンツ】 「イギリスで働きたい」との思い一筋で、放送通訳の経験が全くないままBBCの仕事を始めました。1998年6月のことです。通訳業務そのものにはある程度携わっていたとは言え、テレビ局の社会科見学すらしたこともなかったのです。「採用されたのは運が良かったから」としか言いようがありません。あれから20年以上が経ちます。今では放送通訳以外は考えられないほど、こよなく愛している仕事...

【第10回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「プレゼントの選び方」

フリーランスの通訳者というのは、ある意味「気楽さ」があると私はとらえています。大学卒業後の私は民間企業に勤めていましたが、その時に一番つらかったのが「朝のラッシュ」。私が当時暮らしていた実家はラッシュのひどさで悪名高く、早めの電車に乗っても、なかなか座れないという状況でした。さりとてガラ空きの始発に乗るほど早起きではありませんでしたので、必然的に毎朝押しつぶされながら出社していました。会社到着の時...

保護中: 【第19回】放送通訳の世界「やってて良かった!放送通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳というのは、知的好奇心を満たすことのできる最高の仕事だと私は思っています。私の場合、ひょんなきっかけからこの世界に足を踏み入れたのですが、たとえ生まれ変わったとしてもまたこの仕事に就きたいと心から思っています。医師や弁護士のような国家資格はありません。必要なのはたゆまぬ向学心と好奇心、そして経験です。さらに付け加えるなら体力と気力、切り替え力といったところでしょう...

保護中: 【第18回】放送通訳の世界「アメリカ大統領一般教書演説」

【会員限定コンテンツ】 日本時間の2020年2月5日水曜日11時。トランプ大統領の弾劾裁判が続く中、大統領による一般教書演説が始まりました。これは日本で例えるなら「首相の施政方針演説」に似ています。これまでの1年を振り返り、達成してきた項目、さらに今後の展望などを説明するのがState of the Union address(一般教書)です。略してSOTUと表記するメディアもあります。 ...

【第9回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間別メニュー」

2020年が始まりました。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アメリカでは大統領選挙が、芸術面ではベートーベンが生誕250周年を迎えるなど、色々なことが控えています。私自身、本年も健やかに通訳業務に勤しみたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、1月に入ってから早や数週間が経過しましたが、みなさん、調子はいかがでしょうか?「元旦に計画を立てたけれど、うーん、...

保護中: 【第17回】放送通訳の世界「テレビ同通」

【会員限定コンテンツ】 日本では現在、複数のテレビチャンネルで海外のニュース番組を観ることができます。通訳者の名前が画面上に出るかはそれぞれの局次第です。私が過去から現在に至るまで携わってきたのが英BBC、米CNNおよび米CBS Evening Newsですが、自分の名前が出るのはCBS Evening Newsのみとなっています。 ところで先日、私はBS日テレの「深層ニュース」という...

保護中: 【第16回】放送通訳の世界「日頃の訓練法」

【会員限定コンテンツ】 会議通訳であれ放送通訳であれ、「通訳」という行為に変わりはありません。「話者のメッセージをとらえること」「効果的な言葉で聴き手に伝えること」は共通しているからです。 では「放送通訳者らしく」通訳する上ではどのような訓練が必要でしょうか?今回は私自身が日常的に心がけていることをご紹介します。参考にして頂ければ幸いです。 1.アナウンサーらしく話す かつてロ...

【第8回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間泥棒撃退法」

この仕事をしていると「時間」にはどうしてもシビアになります。現場に遅れないよう、私など心配で1時間前には到着してしまいますし、同通時に数秒でも間が空いてしまうと自分の通訳力不足を痛感して焦ります。大量の書類がドサッと宅配で届き、「ああ、読まなくては」と思いつつも、なぜか掃除・洗濯・カーテン洗い・窓の桟拭きなど、どう考えてもプライオリティが低いことに関心が向かい、「ああ、また時間不足に」と嘆くことも...

保護中: 【第15回】放送通訳の世界「すべてはつながっている」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳というのは、本番になるまでどのような話題が飛び出すかわかりません。もちろん、当日の新聞やインターネットのニュースを見て予想をすることはできます。しかし、突発的な出来事が発生することもあります。事故、事件、国家元首の演説など、自分の「予習」と「山かけ」がことごとく外れる、ということもあるのですね。 よって、極端な見方をすれば、「自分がこれまでの人生で経験し...

保護中: 【第14回】放送通訳の世界「トラブル対処法」

【会員限定コンテンツ】 CNNやCBS Evening Newsの場合、同時通訳ブースには一人で入ります。私が携わるCNNでは3時間シフトを2名で担当し、30分ないしは15分で交代しています。一方、CBS Evening Newsは番組自体が30分であるため、一人で30分間通訳をします。CNNもCBSも同室に他の通訳者やスタッフは入りません。自分がいったん同通ブースに入った以上、何があっても...

【第7回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「疲労回復法」

通訳の仕事というのは何かと疲れがたまりますよね。特に私の場合、一番最初に疲労感を覚えるのが首、肩、背中です。発声しながら知らず知らずに力が入っており、ガチガチになってしまうのでしょう。ヘアサロンのマッサージではいつも「鉄板みたいですね」と言われてしまいます。今回の「ライフハック」では8つの疲労回復法をご紹介いたします。 1.水を一日1リットル以上は飲む 用意するのは空の1リットルPETボトル。...

保護中: 【第13回】放送通訳の世界「たかが読み方、されど読み方」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳の場合、一つのテーマだけが出てくるわけではありません。政治、経済、スポーツ、芸術、医学など、ありとあらゆるトピックが登場します。よって、日頃から様々な分野にアンテナを張り、何が出てきても驚かないようにしなければなりません。そうなると「紙新聞を読む」というのも立派な仕事です。何しろ見開きで一度に大量の情報が視界に入るのが紙の利点。ネットよりも素早く情報を手に入れ...

保護中: 【第12回】放送通訳の世界「アイドリングからいきなりトップギア」

【会員限定コンテンツ】 今年の2月から3月にかけてはいくつかの大きな出来事のため、民放の地上波局に詰めていました。米朝首脳会談とカルロス・ゴーン被告保釈です。 米朝首脳会談の場合、いつ記者会見が行われるかは直前までわかりませんでした。こうしたサミットでは、会談の流れによっては後ろ倒しまたは前倒しになりうるのです。現地から少しずつ情報は入っては来たのですが、何しろ流動的。よって、朝から夜...

【第6回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「どうする?ポイントカード」

本コラムでは「快適な日々を過ごせるちょっとしたヒント」をご紹介しています。ただでさえ慌ただしい通訳業務ですので、せめてそれ以外の部分でスッキリ清々しく暮らしたいですよね。今回のテーマは「ポイントカード」。スタンプカードも含みます。 今の時代、スマートフォン一台あればお財布を持ち歩かなくても済むようになりました。お財布代わり、会員証代わりにもなってくれるのがスマホの強みです。ただ、そうは言えど...