袖川裕美

保護中: 【第9回】通訳ブースは宝の山「コロナ、コロナ、コロナ」

【会員限定コンテンツ】 それでもupskillにreskill  7月24日にBBCワールドの通訳シフトに入っていると、この日が、本来ならば、東京オリンピックの開会式であったことに気づかされた。BBCの日本特派員が報じていたからである。言われなければ、意識することもなかっただろう。「東京2020」はもはや遠い昔の物語のよう。新型コロナがなければ、今頃は沸きに沸いていたはずだ。筆者にも...

保護中: 【第8回】通訳ブースは宝の山「温泉『庭の湯』へのオマージュ」

【会員限定コンテンツ】 温泉が好きだ。都内にも日帰り温泉を楽しめるところがいくつかある。なかでも、豊島園の「庭の湯」がお気に入りである。それには理由があって、通訳の仕事でご縁があって、行くようになった。 2003年に開業した豊島園の「庭の湯」は当初、近隣の高齢者をターゲットとしていた。開業前には当然のことながら、市場調査をし、想定される利用客の需要や好みなどを数値ではじき出し、その上で価格設定...

保護中: 【第7回】通訳ブースは宝の山「トランプの一般教書演説、大統領選、そして新型コロナウィルス」

【会員限定コンテンツ】 2020年2月4日、トランプ大統領が連邦議会の上下両院の議員に向け、一般教書演説(日本の施政方針演説に相当する)を行なった。英語ではthe State of the Union addressという。Stateは状態、the Unionはアメリカ合衆国を指す古い言い方なので、the State of the Unionの本来の意味は「アメリカの現状」である。大統領が国...

保護中: 【第6回】通訳ブースは宝の山「スポーツと通訳~集団によるレベル超え」

【会員限定コンテンツ】 2.集団によるレベル超え 前回はスポーツ通訳について書いた。スポーツと通訳の関係は案外深いのである。そもそもアスリートと通訳者には共通点がある。筆者は拙著で、通訳者は職人+アスリートと書いた。職人的だと思うのは、研鑽と経験で技が磨かれる息の長い仕事だと思うからであり、アスリートと感じるのは、通訳者にもアスリートと同じく本番があるからだ。試合に負けた後のテレビのインタビュ...

保護中: 【第5回】通訳ブースは宝の山「スポーツと通訳~人気の兆し」

【会員限定コンテンツ】 1.スポーツ通訳:人気の兆し 東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、アスリートたちがギアを入れている。テレビもスポーツ番組全盛で、その日に行われた試合の結果以外にも、さまざまなスポーツ番組が放送されている。扱われる競技も多く、幾多の苦難を乗り越えた一流選手の物語、これからが期待される新星の話、海外選手の動向やスポーツの科学的分析など実に盛りだくさんである。いつ、...

保護中: 【第4回】通訳ブースは宝の山「ヤバイっす」

【会員限定コンテンツ】 若者の言葉の乱れ、貧困な語彙。こういうことはいつの世にも言われてきたことで目新しいことではない。だが「ヤバイ」を「格好いい」や賞賛の意味で肯定的に使っているのを聞いたときには、やはり驚いた。「それってヤバイっす」と言われても、これだけでは、まずいことなのか、いいことなのか分からない。ボキャ貧(確かこの言葉が流行ったのは、故小渕恵三首相に対してだった。実際は小渕氏みずか...

保護中: 【第3回】通訳ブースは宝の山「同時通訳の先駆者」

【会員限定コンテンツ】 1969年7月20日、人間が初めて月面に立った。今年はアポロ11号月面着陸から50年の節目の年だったので、アメリカでは、実際に着陸した20日前後に展示会やさまざまな行事が行われた。CNNやBBCも特集を組み、その業績をたたえ、今後の宇宙開発への展望を伝えた。日本ではこの種の番組は少なかったようだが、通訳界にとって記念すべきは、月面着陸の歴史的瞬間を日米同時通訳で伝えた...

保護中: 【第2回】通訳ブースは宝の山「大統領はby the wayがお好き―後編」

【会員限定コンテンツ】 前回は、第二回米朝首脳会談後に開かれたトランプ大統領の記者会見で、by the wayが6回も使われていることに注目。それぞれがどのように使われているのかを見ていった。では4つ目のby the wayから。 4.質問する記者を指名した後に、A lot of people here, by the way. (31’ 11)(ところで、たくさん人が来ているね)。記者団...

【第1回】通訳ブースは宝の山「大統領はby the wayがお好き―前編」

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による第二回米朝首脳会談が2月27-28日にハノイで開かれた。だが、会談は思いがけず不調に終わった。民放テレビ局の同時通訳ブースに張り付いていた筆者にも、合意不成立との情報が早くから伝わってきた。前倒しになった記者会見の場にトランプ大統領が現れたのは、午後4時少し前(日本時間)だった。 物別れというまさかの結果に、ト...

【JIF2018】袖川裕美「同時通訳はやめられない ―私が会議・放送通訳者になるまでー」

袖川裕美 東京外国語大学フランス語学科卒。ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)修士課程修了。1994年から4年間、BBCワールドサービス(ロンドン)で放送通訳。帰国後、フリーランサーとして放送通訳(NHK・BS、BBC、CNNなど)や会議通訳に従事する。2015年から愛知県立大学外国語学部英米学科准教授。著書の『同時通訳はやめられない』(平凡社新書・2016年)は、朝日新聞・天声人語(2...