今日も苦し紛れ

保護中: 【第7回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ~a yearbook photo~

【会員限定コンテンツ】 幼少期に私はオランダとイギリスに暮らしていました。アムステルダムで通っていたのはアメリカン・スクール。よってカリキュラムは米国準拠のものでした。当時はアメリカ人の師弟に次いで日本人の生徒数が多かったですね。日本の高度経済成長期で、海外駐在員が増えていた時期でした。 その後、転入したロンドン郊外の私立女子校は英国国教会を母体にした幼稚園から高校までの一貫校。アム...

保護中: 【第6回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ~the last person to…~

【会員限定コンテンツ】 CNNの同通スタジオには広めのデスクとオフィスチェア、そして目の前には現地から放映されるテレビ画面があり、私たちはマイク付きヘッドホンを着用し、自分でスイッチをオン・オフします。また、調べ物用のパソコンもあります。2名で30分ずつ交代をしながら同時通訳をするのですね。 30分の間には2~3回のCMが入ります。CM時間はおよそ数分。お知らせの前にプレゼンターが”...

保護中: 【第5回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから~debunk~ 

【会員限定コンテンツ】 「通訳の仕事をしていて、『業界あるある』ってありますか?」 先日、学生から出た質問です。うーん、色々思いつきますよねえ。たとえば、 「つい何でも調べたくなってしまう。気になるとすぐ検索」 「不明単語が出ると宝物を掘り当てた気分になり、意味調べに勤しむ」 「日ごろ『他者』のことばを通訳しているので、プライベートになると『自分語り』で饒舌にな...

保護中: 【第4回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ~balance the budget~

【会員限定コンテンツ】 放送通訳の仕事を始めてから一番気にかけているのは、「必要以上の無音状態を作らないこと=放送事故」です。放送事故は放送局によって定義が異なるようですが、ラジオの場合、無音状態が「5秒、13秒、20秒」続くと放送事故だそうで、総務省に報告の義務があるのだとか。大ごとになりますので、テレビの同時通訳もやはり気を付けなければいけません。 となると、いかに無音状態を回避...

【第3回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ”State’s largest employer”

アメリカ大統領選挙は4年に一回おこなわれます。実施年はオリンピックと同じ。放送通訳者にとって、その年の夏は五輪関連のニュースが増え、秋になると大統領選たけなわということになります。 しかし、大統領選挙は投票日のある11月「だけ」ではありません。実はその数年前から戦いは始まっているのです。2020年の「トランプ対バイデン」の時も、ずいぶん前から「指名候補、予備選挙、選挙人団、党員集会」といっ...

【第2回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ”So steeped in history.”

訳語についてあれこれ考えるという行為。これは何も通訳ブースの中だけとは限りません。私の場合、日常生活で見聞きする英語すべてが「通訳対象」となっています。あれこれ訳語を即座に考えること。そうした瞬発力を自分に課すのはスリリングでもあるのです。 ただ、放送通訳の場合、対象はニュースです。よって、いつもそうした「ゲーム感覚」で対処できるわけでもありません。ニュースの大半は事故や事件、人々の苦しみ...

【第1回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから ”There’s always a little bit of a sour note in every chord.”

今から遥か昔、学生時代の私はジャーナリストの千葉敦子さんの本を読んで大いに感化され、「報道の仕事をしたい!」と思っていました。ただ、人生、そう計画通りには進まないもの。私自身、紆余曲折を経て放送通訳の世界に入ったのでした。 で、この放送通訳、私にとっては実にエキサイティング。何しろ最大の予習法は「新聞・ニュースをチェックすること」のみ。会議通訳であれば事前に資料を頂き、単語リストを作って臨...