第4回 JACI同時通訳グランプリ 入賞者の声

【学生部門】

グランプリ 安部望海(ミドルベリー国際大学院モントレー校)

この度はグランプリを受賞させていただけたこと、 大変嬉しく思っております。心より感謝申し上げます。 

去年の夏、大学院進学を決め日本を飛び出した日には、 まさか自分がこのような機会に恵まれるなんて想像もしていませんでした。  

通訳者への道を歩み続けられる理由、それは私の場合、通訳という行為を通じて感じられるやりがいと喜び、そのものだと思います。 伝えたい想いを抱く人とそれを理解したいと願う人、 私が本来出会えるはずのなかった方々の「想い」に直接触れ、その橋渡しをさせて頂けることは、本当にかけがえのない体験です。 もちろん、訳すのに気後れするようなシーンに直面することもありますが、その想いを託していただける限り、通訳者には彼等の声をありのまま代弁する責任があり、達成できた時にはやりがいを感じます。また、双方の想いが通じ合ったときの喜びは、私の人生を豊かにしてくれます。 まだまだ未熟で一喜一憂する毎日ですが、このような瞬間を大切に紡ぎ、前進し続けたいと思っております。 

JACI関係者および審査員の皆さま、この度はこのような素晴らしい機会を提供してくださりありがとうございました。 大先輩に見守られる中で、同志と共に本気で実力を試すことができ、非常に刺激的な体験でした。そして、日頃から的確かつ温かいご指導をしてくださる先生方、 夜昼問わず練習に付き合ってくれる同期・先輩方、 いつも支えてくれている家族・友人、 皆さまの存在なくしてこの受賞はあり得ませんでした。 この場を借りて心より感謝申し上げます。  

この体験を糧に、今後も引き続き精進して参ります。 改めまして、この度は本当にありがとうございました。

準グランプリ ニコラス・コンチーミドルベリー国際大学院モントレー校)

この度は準グランプリを受賞することができ、大変光栄に思っております。JACIの皆様には貴重な経験をいただき、心から感謝申し上げます。

同時通訳グランプリは、私のような人脈もなく、経験不足の学生にとってとても貴重な財産となります。また、通訳者としての必要不可欠なネットワーキングだけではなく、通訳の楽しさを多くの方に宣伝することもグランプリの素晴らしいところの一つだなと、昨年参加させていただいた際もまた今年も強く実感いたしました。業界の関係者や一般人を問わず、どなたでも楽しめるようなイベントが非常に珍しく、JACIの皆様がこのように通訳業界への大きな貢献をくださっていることに大変感謝しております。

私は今年5月に会議通訳の修士学位を取得いたしまして、2年間ご指導をいただいた先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。2年前、通訳の経験は全くないところからスタートし、先生方の熱心なご指導をいただいてこそ、ここまで成長することができました。今後は大学院で得た学びを糧に、社会人の通訳者として精進してまいります。

今年も舞台が完全にオンラインになりました。大規模なイベントを遠隔にて主催することはなかなか難しいかと思いますが、ウィズコロナが進むことにつれ、このような形で行われるイベントがますます普及していくだろうと考えられます。オンライン主催のお陰で、昨年はテキサス州、そして今年はカリフォルニア州から参加することができました。今後、同時通訳グランプリがさらなる注目を集め、さらに国際的なイベントになるよう願っております。

改めまして、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。

■指導教員 森 千代 ミドルベリー国際大学院モントレー校客員教授(日本語通訳)

今年も再びコロナ禍で迎えた春となりましたが、MIISの学生さんたちの一つの大きな挑戦であり、伝統行事となりつつあるJACI同時通訳グランプリの開催に御尽力下さったスタッフおよび関係者の皆様に、まず改めて深く感謝を申し上げたいと思います。

第一回のグランプリ奥山裕太さん、第二回の準グランプリ福谷昌子さん、第三回のグランプリ丹羽つくもさんと準グランプリ渡部美樹さんに続き、今回第四回グランプリに輝いた安部望海さん、そして準グランプリを勝ち取ったニック・コンチーさん、本当におめでとうございます。皆さんMIISで日々通訳の修行に打ち込む学生さんたちです。

予選前に話をしていた時に、安部さんが「毎年JACIのグランプリを受賞しているMIISの先輩方の偉業と伝統を私たちの学年でストップしないように全力でがんばります!」と言っていたのが印象的だったのですが、気がつけばグランプリも4回目となり、本校の学生さんたちにはグランプリ参加と入賞が大切なマイルストーンとなりつつあります。

毎春行われるJACIのグランプリは、MIISの期末試験や卒業試験と時期が重なり、学生さんたちは連日連夜の試験勉強とはまた別にグランプリに向けた準備や練習をこなし、グランプリの時間もカリフォルニア時間の夜中スタートという厳しい条件の中、このような素晴らしい結果を残せたことは、本当に有意義なことだと思いますし、一指導教員として心から誇りに思います。

改めましてJACIのスタッフおよび関係者の皆様、審査員の諸先生方、本当にありがとうございました。そして学生の皆さん、これからも常にワンランク上の通訳を目指して一緒に頑張っていきましょう!

【社会人部門】

グランプリ 上妻つぐみ

この度は憧れの舞台で挑戦できたこと、そしてグランプリを受賞できましたことを非常に嬉しく、光栄に感じると共に、皆さまへの感謝の気持ちで一杯です。若手の通訳者のためにこのような機会を設けてくださったJACIの皆さま、長丁場かつ遠隔という容易ではない環境で審査を行なってくださった審査員の皆さま、本グランプリのためにスピーチを準備してくださり、2回も発表してくださったスピーカーのお二人、そして通訳の楽しさを改めて教えてくれたファイナリスト7名の皆さま、本当にありがとうございました。また、本大会に向けて全力でサポートしてくれた家族や通訳仲間に心から感謝したいです。

本大会翌日、私の恩師がある本を贈ってくれました。「プロが世界観を作るのに何を考えているのか参考になると思うよ」と渡されたのは、漫画術に関する本でした。まだ読み進めている途中なのですが、この本の冒頭で筆者は、指針となる「地図を持つこと」の大切さに触れています。その「地図」さえ持っていれば、苦境の中でもブレずに前進し続けられるのだと。

何度も下書きを重ねながらも描き続けてきた私の「地図」ですが、この道で間違っていなかったんだと本大会での経験が教えてくれました。私の通訳者としての地図はまだ小さなものですが、この経験を出発地点として、道中でのさまざまな出会いに感謝しながら新たな道を開拓し、旅を続けて自分だけの地図を描いていこうと思います。

準グランプリ 小林紘子

この度、栄誉あるJACI同時通訳グランプリの準グランプリを受賞し、大変嬉しく、光栄に存じます。

前職を辞め、オーストラリアの大学院で通訳の勉強を始めたのが2018年。卒業後、LINE Fukuoka開発室で通訳としてのキャリアをスタートさせました。

素晴らしい同僚に恵まれ、社内通訳として充実した日々を送る一方、自分の通訳者としての実力がどの程度なのか知りたいと感じていました。また、第一回の優勝者である石井悠太さんは、大学院の先輩であり、いつか私も挑戦したいと考えていました。昨年は、グランプリのあまりに大きな存在感に応募を躊躇し、今年も迷いましたが、勇気を出して応募してよかったと思います。

本選では、大学院の卒業試験以上に緊張しましたが、悔いの残らぬよう、今の自分の力を出し切りました。これも、朝の通訳自習室やグリンズアカデミーをはじめ、多くの人と練習させて頂いたおかげです。特に、本選でペアを組んだグランプリの上妻さんは、快く事前練習に応じてくださり、本選に備えることができました。

本選当日までの間、多くの方々から熱い応援をいただき、通訳者コミュニティの素晴らしさとこのグランプリの重みを再認識しました。また、登壇者が伝えたいこと、聴衆に伝わる通訳について考え、悩み、練習に臨む日々が続きました。本選までに得られたこのような経験が、今後の私にとって大きな糧になると思います。

準グランプリの受賞に、嬉しさと安堵を感じつつ、「もっと頑張りなさい」というメッセージだと受け止めています。通訳は、相変わらず難しく、反省と後悔の無い日はありませんが、同時に、この奥深い世界で学べることを幸せに思います。今後も自分らしく技術や感性を磨いていきたいです。

最後になりましたが、JACIの皆様、素晴らしいスピーチを発表してくださったトマス・カイザー様および渡邉ユカリ様、審査員の先生方、また、ファイナリストの皆様に御礼申し上げます。そして、私に通訳の基礎を教えて下さったクイーンズランド大学MAJITの先生方、現在の職場であるLINE Fukuokaの皆さん、ありがとうございました。

【実行委員長のメッセージ】

日本会議通訳者協会理事 小野陽子

まずは、お忙しい中、審査員をお引き受けくださった、工藤浩美様(株式会社 テンナイン・コミュニケーション 代表取締役)、中山貴子様(株式会社 コミュニケーターズ 代表取締役)、桃原則子様(有限会社 M & Partners International 代表取締役)、木村由貴子様(株式会社 ブリジック 代表取締役)、セランド修子様(株式会社STC プリンシパル/東京女子大学 非常勤講師)、トム・エスキルセン様(JACI認定会員)、エバレット千尋様(JACI認定会員)、フリィ・マクウィリアムス 様(JACI副会長/認定会員)に心よりお礼を申し上げます。長時間に渡る拘束にも関わらず快くお引き受けくださり、グランプリ決定の際も様々な視点から活発な審議をしてくださり、皆さまの通訳に対する真摯な姿勢に身が引き締まる思いがいたしました。

また、非常に興味深いスピーチをしてくださいましたトーマス・カイザー様、渡邉ユカリ様にも心より感謝を申し上げます。ほとんど休憩もないまま、同じスピーチを二回繰り返していただくという過酷な状況ながら、二回目も一回目と遜色ない安定したスピーチをしてくださいました。お二人のおかげでファイナリストたちは公平な状況下で同時通訳を行うことができました。

昨年に引き続きオンライン開催でしたので、日本ならず海外からの応募がたくさんあり、今回の受賞者4名のうち3名は海外在住者という結果でした。弊協会の取り組みが海外に広がり、海外在住者にもチャンスを与えることができていることを喜ばしく思う反面、国内の新人通訳者の中での同時通訳グランプリの認知度をもっと高める必要があることを感じています。

また、応募者のレベルが年々上がってきていることを感じています。予選の審査員からも「昨年より審査に時間がかかった」とのコメントがありました。応募人数の増加のせいというよりも、比較のための聞き直しに時間がかかったようでした。

全体的にレベルが高まる中で、今回グランプリを受賞した皆様、おめでとうございます。非常に素晴らしいパフォーマンスでした。あまりに素晴らしいので聞きながら焦りを感じるほどでした。せっかくの受賞ですので、うまく活用して今後の機会につなげていただけたらと存じます。

最後に、同時通訳グランプリをご視聴くださった皆様もどうもありがとうございました。本年は視聴者登録が200名を超え、実際の参加者も170名以上でした。同時通訳グランプリというせっかくの晴れの舞台で観客がいないのは非常にさみしいものです。皆様のご視聴のおかげでファイナリスト達も程よい緊張感を持って取り組めたのではないかと思います。どうもありがとうございました。