3月 2023

【JIF2023】仁科恭徳「パラレルコーパスから見えてくること -辞書記述、翻訳ユニット、機械翻訳、そしてLSP-」

仁科恭徳 応用言語学者・コーパス言語学者。野菜ソムリエの資格や船舶免許も保有。最近は色彩(心理)学など他分野の研究にも従事している。英エクセター大学大学院応用翻訳学修士課程修了。英バーミンガム大学大学院コーパス言語学修士課程修了。英バーミンガム大学大学院より応用言語学博士号取得(Ph.D.)。京都府立大学共同研究員、立命館大学嘱託講師、明治学院大学専任講師、米ホープカレッジ客員交換...

保護中: 【第33回】翻訳家ありのまま「訳書のタイトル、誰が決めると思いますか」

訳書のタイトルって、いったい誰が決めると思いますか。訳者? それとも出版社? それとも訳者と出版社が相談し合った上で? で、最終決定権はどちらにあると思いますか? この点に関して私は次のように解釈している(あくまで私の解釈である)。すなわち「最終決定権は出版社にあり、ゆえに通常は出版社が一方的に決めるが、出版前に訳者に伝えることは伝える」。 最終決定権が訳者ではなく出版社にあると私が...

【JIF2023】劉彦甫「台湾有事とは何か ――台湾海峡問題の構造と未来」

劉彦甫 東洋経済新報社解説部記者。1994年台北生まれ、2016年早稲田大学政治経済学部卒業、18年同大大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。専門は台湾を中心とする国際政治経済、日本の台湾認識。2018年から東洋経済新報社に在籍し、企業情報部や報道部で電子部品や電機業界を担当した。2022年より台湾情勢とマクロ経済の専門記者として解説部に異動し、論説や解説記事を担...

【JIF2023】宮嶋敏子、川崎和子「通訳アサイン こちら側とあちら側 ―コーディネーターの目 クライアントの目― 」

宮嶋敏子 アイコネクション合同会社代表社員。埼玉県出身。オリンパス株式会社役員秘書、スポーツニッポン新聞社勤務の後、通訳エージェントを経て2015年5月にアイコネクション合同会社を設立。細々とコーディネーターを続け四半世紀。通訳者/翻訳者アサイン数はまもなく述べ1万件に。 川崎和子 アイコネクション合同会社代表社員。福島県出身。日系証券、外資系証券にて日本株式、...

【JIF2023】グレゴリー・ケズナジャット「翻訳と創作の間」

撮影:渞忠之 グレゴリー・ケズナジャット 作家、文学研究者。2017年、同志社大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。現在は法政大学グローバル教養学部にて准教授。2021年、「鴨川ランナー」にて第2回京都文学賞を受賞。最新作「開墾地」が第168回芥川龍之介賞の候補となる。両作品とも講談社から単行本として刊行。 翻訳と創作の間 通訳と翻訳の行為に携わる者の経験をいか...

保護中: 【第6回】日米同盟:防衛協定からグローバルパートナーシップへの道のり「日米同盟の再定義:冷戦後の秩序の模索」

【会員限定コンテンツ】 本連載は、戦後の対日講和から1990年代まで10年間ごとに整理し、2000年以降は各米大統領の政権ごとに日米同盟がどのように変化したか、そして、今後インド太平洋地域が地政学的に最も重要な地域となる中で、日米同盟が地域の平和と安定に貢献するための課題や日本を取り巻く多国間関係を紹介する。 第6回となる今回は、冷戦が終焉し、ソ連が消失・弱体化する中で、日米同盟がど...

第6回 JACI特別功労賞 長井鞠子

日本会議通訳者協会(JACI)は2018年に、通訳業および通訳業界に多大な貢献をし、その発展に寄与した個人および/または組織の功労を讃えることを目的に、JACI特別功労賞を制定しました。 厳正な審査を経て、第6回の受賞者は長井鞠子氏に決定しました。 長井鞠子(ながい まりこ) (撮影 織田桂子) 長井氏は日英会議通訳者の先駆者のひとりとして日々研鑽を重ね、日本の外交・産業...

第6回JACI特別功労賞 受賞者コメント 長井鞠子

この度、日本会議通訳者協会からJACI特別功労賞をいただく、と聞かされ、私のようなものがいただいても良いのだろうか、と本当に思いました。 とはいえ、私は現役の日英会議通訳者としては最高齢の数人になっているのは確かで、長年続けて通訳者としてやってきたことに対する「頑張ったね」賞をくださるのかも、と思い直し、同じ世代の日英通訳者の代表として有り難くお受けすることにいたしました。 ...

保護中: 【第16回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

第三章  中国再訪、青春の想い出 武漢広州日本商品展覧会 帰国して四年余り経った1957年の暮れ、再び中国を訪れる機会に恵まれた。北京と上海で開かれた日本商品展覧会に続き広州と武漢でも展覧会が開催されることになり、その準備段階から展覧会終了まで半年以上に及ぶ中国滞在の予定である。展覧会事務局で出品物リストの作成などのアルバイトをして数か月、訪中の朗報にわたしの心は躍った。 幼...

保護中: 【第43回】放送通訳の世界「交代のタイミング」

 【会員限定コンテンツ】 「通訳者が一度に集中できる時間は何分?」 このような問いを私は通訳講座の冒頭で投げかけることがあります。返ってくる答えは実に様々。「3分」「5分」から「30分」「60分」など、幅広いものでした。 では具体的にどうでしょうか?確かに「3分」なら、どれほど難解な内容でも、とりあえず3分頑張って訳せば交代してもらえます。が、3分経てばまた自分の番が回ってく...

保護中: 【第32回】翻訳家ありのまま「翻訳書が出したいんじゃなかったんかい」

30代の頃の私は次々と著訳書を出しており、執筆と翻訳で多忙を極めていたが、そんな中でもあちこちの出版社に売り込みをかけていた。 血気盛んだった私はアポイントも取らずに、自分の著訳書を持参して出版社に突撃することもあったのだが、そのうちの一つがH出版であり、たまたまそのとき受付に現れたのがT氏だった。 見たところ40代のT氏は嫌そうな顔をしながらこう言った。 「すみません、今ちょ...

【第1回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「アラフォーの新人ですが大学院留学に挑戦します」

34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ、40歳になる今年、韓国の通訳翻訳大学院に留学することになりました――。 このように話を切り出すと、なぜ韓国語? なぜ通訳? なぜ大学院? なぜ留学?……などと絶えず質問をいただくのが、もはやルーティーンのようになっています。 私・中村かおり(なかむら・かおり)は2023年3月から韓国ソウルの梨花女子大学通訳翻訳大学院(修士課程・韓日通...

保護中: 【第5回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『バッドガイズ』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2022年は映画館で190本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第5回の作品は『ボス・ベイビー』などを手掛けてきたユニバーサル・...

「通訳デビュー!体験記~久保舞菜美」

自己紹介 みなさん、はじめまして。立教大学 異文化コミュニケーション学部3年の久保舞菜美と申します。大学では主に通訳、翻訳を勉強しており、学部の通訳者・翻訳者養成プログラム修了に向けてがんばっています。また学部生、院生が実際の通訳、翻訳のプロジェクトに取り組むサービスラーニング RiCoLaSにも在籍しています。将来はプロの通訳者になることが夢です。 きっかけ 本稿では現場デビ...

【第10回】手話通訳士への道「未熟な社会と未熟な私 Vol.1」

手話通訳を公の働きとして位置づけている手話通訳制度について第6回で紹介しました。 そして、第8回、9回で、憲法の描く社会像と未熟な個人意識、社会意識による現実の姿を考えてみました。 私たち手通訳の担い手は、制度的な位置づけから、より憲法に規定する人権、自由の守り手であり、平等の実践者であることが求められます。 私たち手話通訳の担い手の働きが、目指す社会像と現実の姿のはざまで展開...

保護中: 【第15回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

京劇代表団日本各地で公演 大学入試に失敗して落ち込んでいたのも束の間、次々と仕事が舞い込んできた。 貿易代表団に続き、1956年5月には中国訪日京劇代表団が来日。 京劇の名優梅蘭芳(メイランファン)を団長とする大型代表団で、朝日新聞社と日中友好協会の招待で実現した。5月下旬から53日に及ぶ日本滞在中、各地で計32回の公演が行われた。 訪日公演のパンフレット1956年朝日新...