印税

保護中: 【第37回】翻訳家ありのまま「30分以内に弁護士をぎゃふんと言わせてやった」

G出版からの依頼で翻訳を仕上げたのに勝手に出版を中止にされ、調停も不調にされたので訴状を出したわけだが、驚くことに「出版契約は成立していなかった」という答弁書が返ってきた。え、初版印税も払っているのに「出版契約は成立していなかった」って、そんな主張が通るとでも思っているの? 契約は諾成契約と要物契約に分けられる。口約束だけで成立するものを諾成契約といい、物の引き渡しが必要なのが要物契約だ。...

保護中: 【第30回】翻訳家ありのまま「未払い印税回収劇③マル秘催促法」

私が作家・翻訳家デビューした1990年代半ばは出版業界が最も盛り上がっていた頃だったが、その後IT革命のあおりを受けて本が売れなくなり、出版業界は未曽有の大不況となった。出版業界の規模は年々縮小し、出版社の数も書店の数も激減した。 だが、その一番のしわ寄せが行ったのは作家・翻訳家ではないかと思えてならないのだ。実際、翻訳家へ支払われる訳者印税は8%が相場と言われていたが、7%になり6%にな...

保護中: 【第26回】翻訳家ありのまま「印税率を聞くのも一苦労」

前回、印税の支払時期について詳しく聞いていなかったために生じた一悶着をお話したわけだが、読者の中には「事前にきちんと聞いておかなかったあなただって悪いよ」と私を非難する人もおられると思う。たしかにそれも一理ある。だが、印税の支払いについて詳しく聞き出すことはけっこう大変なのである。今回はそれがうかがえる実例をお話ししようと思う。 ある日、G出版からメールで翻訳書出版の相談を持ちかけられたの...

保護中: 【第25回】翻訳家ありのまま「未払い印税回収劇②ちょっと可哀そうなことしちゃったかな」

Cセラーズで初めて訳書出版することが決まったとき、編集者から「印税6%」と聞いて仕事を始めたのだが、見本書籍ができた日に「重版印税の6%は約束するから、初版印税だけ4%に負けてほしい」と相談を持ちかけられ、うかつにも私はそれを了承してしまった。その際、「印税支払日は発売の2ヶ月後」と聞かされていたが、その後経理部から送られてきた明細を見てみるとビックリ。印税は発売後2か月後から月に1回、4回に分...

保護中: 【第24回】翻訳家ありのまま「未払い印税回収劇①私だって生活に困ってます」

留学から帰国して3年経っても生活は苦しいままだった。最大約50万円まで膨らんだ借金を英会話講師などをやりながら完済したばかりで、いつ借金生活に逆戻りするかというギリギリ状態が続いていた。 そんなある日、編集者が拙宅に打ち合わせに来たので、一番気になっていたことを訊いた。 「印税って、いつ支払われるのですか」  すると彼女、ばつが悪そうにこう応えた。 「えっ、言ってませんで...