グロータース

保護中: 【第8回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「翻訳家と聖書」

W・A・グロータースはその著書『誤訳』で次のように述べています。 「日本でヨーロッパの文学作品を訳す時、何かわからない“X”が訳者の前に立ちはだかっている。それはヨーロッパ文化の底深く横たわっているものである。ヨーロッパ人の生活の具体的な、こまごました事実が訳者にとって理解できないために、いろいろ困ったことが起きる。ことに文学作品のなかに隠れているキリスト教文化は日本の訳者にとって苦手なも...

保護中: 【第7回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「翻訳の限界―「完全な翻訳」は可能なのか」

読者の皆さん、「完全な翻訳」って可能だと思いますか? え? その前にその「完全な翻訳」の定義を教えてくれって? たしかに、その定義によっても答えが全然違ってきますからね。 そこでまず「完全な翻訳」の定義から考えてみましょう。ベストセラーになったW・A・グロータースの『誤訳』には次のように書かれています。 「完全な翻訳が可能だということは、言語で伝えられる事がらのいっさい、ただ意味の大...