放送通訳

保護中: 【第23回】放送通訳の世界「ボイスオーバー」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳は細かく分類すると「時差通訳」「半生同通(はんなまどうつう)」「生同通(なまどうつう)」があります。時差通訳は事前にニュースの動画を視聴し、日本語原稿を作成し、本番でその動画に合わせるというものです。一方、半生同通は原稿を作成する時間はないものの、1、2回は動画を視聴した上で本場に臨みます。いずれもNHK-BSの海外ニュースで用いられているのですね。この場...

保護中: 【第22回】放送通訳の世界「さあ、違いはどっち?」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳と会議通訳。この大きな違いは「同じ空間にパートナーがいるか否か」だと私は思っています。かつて国際会議の同時通訳をメインに稼働していたころは、常に先輩や同僚通訳者の存在がありました。同じ狭いブース内でサポートをしながら、ハードな一日を乗り切るというものだったのですね。用語のすり合わせをしたり、難解な用語を速攻で辞書で調べたり、めまいがするような数字のオンパレ...

保護中: 【第21回】放送通訳の世界「負担無き放送通訳をめざして」

【会員限定コンテンツ】 私が普段シフトで入っているCNNでは、通訳者が一人でブースに入ります。通常の会議通訳であれば二人一組となり、パートナーがサポートに回りますよね。けれどもニュース現場では一人体制なのです。CNNの場合、30分を一人が担当し、時間になるとパートナー通訳者が控室からそっとブースに入ってきます。そこでお互いに目配せをしながら挙手をして引き継ぐという形をとっています。たったひ...

保護中: 【第20回】放送通訳の世界「使命感について考える」

【会員限定コンテンツ】 「イギリスで働きたい」との思い一筋で、放送通訳の経験が全くないままBBCの仕事を始めました。1998年6月のことです。通訳業務そのものにはある程度携わっていたとは言え、テレビ局の社会科見学すらしたこともなかったのです。「採用されたのは運が良かったから」としか言いようがありません。あれから20年以上が経ちます。今では放送通訳以外は考えられないほど、こよなく愛している仕事...

保護中: 【第19回】放送通訳の世界「やってて良かった!放送通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳というのは、知的好奇心を満たすことのできる最高の仕事だと私は思っています。私の場合、ひょんなきっかけからこの世界に足を踏み入れたのですが、たとえ生まれ変わったとしてもまたこの仕事に就きたいと心から思っています。医師や弁護士のような国家資格はありません。必要なのはたゆまぬ向学心と好奇心、そして経験です。さらに付け加えるなら体力と気力、切り替え力といったところでしょう...

保護中: 【第18回】放送通訳の世界「アメリカ大統領一般教書演説」

【会員限定コンテンツ】 日本時間の2020年2月5日水曜日11時。トランプ大統領の弾劾裁判が続く中、大統領による一般教書演説が始まりました。これは日本で例えるなら「首相の施政方針演説」に似ています。これまでの1年を振り返り、達成してきた項目、さらに今後の展望などを説明するのがState of the Union address(一般教書)です。略してSOTUと表記するメディアもあります。 ...

保護中: 【第17回】放送通訳の世界「テレビ同通」

【会員限定コンテンツ】 日本では現在、複数のテレビチャンネルで海外のニュース番組を観ることができます。通訳者の名前が画面上に出るかはそれぞれの局次第です。私が過去から現在に至るまで携わってきたのが英BBC、米CNNおよび米CBS Evening Newsですが、自分の名前が出るのはCBS Evening Newsのみとなっています。 ところで先日、私はBS日テレの「深層ニュース」という...

保護中: 【第16回】放送通訳の世界「日頃の訓練法」

【会員限定コンテンツ】 会議通訳であれ放送通訳であれ、「通訳」という行為に変わりはありません。「話者のメッセージをとらえること」「効果的な言葉で聴き手に伝えること」は共通しているからです。 では「放送通訳者らしく」通訳する上ではどのような訓練が必要でしょうか?今回は私自身が日常的に心がけていることをご紹介します。参考にして頂ければ幸いです。 1.アナウンサーらしく話す かつてロ...

保護中: 【第15回】放送通訳の世界「すべてはつながっている」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳というのは、本番になるまでどのような話題が飛び出すかわかりません。もちろん、当日の新聞やインターネットのニュースを見て予想をすることはできます。しかし、突発的な出来事が発生することもあります。事故、事件、国家元首の演説など、自分の「予習」と「山かけ」がことごとく外れる、ということもあるのですね。 よって、極端な見方をすれば、「自分がこれまでの人生で経験し...

保護中: 【第14回】放送通訳の世界「トラブル対処法」

【会員限定コンテンツ】 CNNやCBS Evening Newsの場合、同時通訳ブースには一人で入ります。私が携わるCNNでは3時間シフトを2名で担当し、30分ないしは15分で交代しています。一方、CBS Evening Newsは番組自体が30分であるため、一人で30分間通訳をします。CNNもCBSも同室に他の通訳者やスタッフは入りません。自分がいったん同通ブースに入った以上、何があっても...

保護中: 【第13回】放送通訳の世界「たかが読み方、されど読み方」

【会員限定コンテンツ】 放送通訳の場合、一つのテーマだけが出てくるわけではありません。政治、経済、スポーツ、芸術、医学など、ありとあらゆるトピックが登場します。よって、日頃から様々な分野にアンテナを張り、何が出てきても驚かないようにしなければなりません。そうなると「紙新聞を読む」というのも立派な仕事です。何しろ見開きで一度に大量の情報が視界に入るのが紙の利点。ネットよりも素早く情報を手に入れ...

保護中: 【第12回】放送通訳の世界「アイドリングからいきなりトップギア」

【会員限定コンテンツ】 今年の2月から3月にかけてはいくつかの大きな出来事のため、民放の地上波局に詰めていました。米朝首脳会談とカルロス・ゴーン被告保釈です。 米朝首脳会談の場合、いつ記者会見が行われるかは直前までわかりませんでした。こうしたサミットでは、会談の流れによっては後ろ倒しまたは前倒しになりうるのです。現地から少しずつ情報は入っては来たのですが、何しろ流動的。よって、朝から夜...

保護中: 【第11回】放送通訳の世界「放送通訳現場で心がけたいこと」

【会員限定コンテンツ】 私が普段担当する放送通訳の現場は、基本的に「たった一人でブースに入る」という形式をとっています。通常の国際会議、しかも長丁場であれば2人以上で通訳をしますよね。けれどもCNNやCBS Evening Newsの場合は一人で30分間、同時通訳をしていくのです。「急に咳き込んだので交替」「訳語に詰まったのでパートナーのサポートに頼る」ということができないのが特徴です。とに...

保護中: 【第10回】放送通訳の世界「因数分解したい」

【会員限定コンテンツ】 高校入学直後の数学テストで赤点を取り、「自分は決して理系人間にはなれない」と思いました。以来、授業はちんぷんかんぷん。2時間の通学時間ということもあり、授業中はひたすら寝ていましたね。大学受験も迷うことなく文系へ。数学用語を耳にするだけでいまだに緊張してしまいます。 とは言え、今回の本コラムでは「因数分解」という語をあえて用います。文系的に言うのであれば、「書き...

保護中: 【第9回】放送通訳の世界「名称、どうする?」

【会員限定コンテンツ】 私が携わる放送通訳現場は、いわゆる「完全生同通」です。事前に記者のレポートなどを見たり、ボイスオーバー用の原稿を作ったりする時間はありません。まさにぶっつけ本番。何が出てくるかわかりませんので、「生=ライブ」というわけなのです。運が良ければ前の時間帯に放映したニュースを職場備え付けのDVDプレーヤーで見ることはできます。けれども準備時間が少ないため、一回視聴できればラ...

保護中: 【第8回】放送通訳の世界「句動詞、あゝ句動詞」

【会員限定コンテンツ】 同時通訳の勉強を始めたころ、先生に言われたことがあります。「知らない単語は聞き取れない、聞き取れない単語は訳せない」です。そもそも勉強不足でその語彙を知っていなければ、聞き取ることも難しくなります。リスニングが不十分であれば訳すことはできないのです。 放送通訳現場は基本的に一人での作業です。私はCNNとCBS Evening Newsを担当していますが、30分間...

保護中: 【第7回】放送通訳の世界「世界ニュースから日本を見ると」

【会員限定コンテンツ】 「通訳」にも様々な分野があります。国際会議、商談、通訳ガイド、法廷、コミュニティ通訳などです。中でも放送通訳の場合、事前の準備原稿はなく、キャスターの英語スピードも世界最速と言われます。また、私が携わる局では一人でブースに入ります。パートナー通訳者のサポートもありません。そう考えると、緊張感の非常に高い職種と言えるでしょう。「ストレスがたまりませんか?」と尋ねられます...

保護中: 【第6回】放送通訳の世界「目・耳・口・手はフル稼働」

【会員限定コンテンツ】 私は放送通訳者になる前、ガイド通訳やビジネス通訳、セミナーの同時通訳などに携わっていました。今も機会があればそうした仕事を請け負います。ただ、ここ数年は指導することも増えたため、割合は少ない状況です。放送通訳は大好きな仕事で、20年以上続けてきました。 通訳デビューをする前の若かりし頃、雑誌で「通訳者の鞄の中身」という特集を読みました。その中で興味深かったのが「...

保護中: 【第5回】放送通訳の世界「東日本大震災、その時スタジオは」

【会員限定コンテンツ】 世界の中で大きな出来事が発生すると、そのとき自分がどこで何をしていたかが強烈に記憶されます。私の場合、ダイアナ妃死去、ニューヨークの9・11事件、そして東日本大震災の3つが自分の心の中で一定の位置を占めています。 2011年3月11日の数日前から予兆は感じていました。それまでとは異なる激しい揺れが何度か起きていたからです。これを受けて我が家では、念のため巨大地震...

保護中: 【第4回】放送通訳の世界「トラブル発生!どうする?(内容編)」

【会員限定コンテンツ】 通訳の仕事をしていると、「わっ!どうしよう?」という事態に直面することが少なくありません。先月は機材トラブルについて書きましたが、不可抗力だけでなく、自分の知識不足、語学力欠如による「大変な状況」に遭遇することがあります。そこで今回は、通訳内容の観点から私が経験したトラブルとその対処法についてお話します。 「内容」面で苦戦するときには、おおむね3つのパターンがあ...

保護中: 【第3回】放送通訳の世界「トラブル発生!どうする?(機材編)」

【会員限定コンテンツ】 通訳者としてデビューした当時、通訳学校の先生や先輩方に口を酸っぱくして言われたのが、「マイクの取り扱いには気を付けること」でした。スイッチの入れ忘れ・切り忘れという初歩的なミスにより、通訳のアウトプットにも影響が出てしまうからです。放送通訳の現場も同様です。そこで第3回は機材によるトラブル発生について見てみましょう。トラブルは「自分が原因」「自分以外が原因」の2つに分...

保護中: 【第2回】放送通訳の世界「放送通訳業務の流れ」

【会員限定コンテンツ】 「放送通訳の世界」へようこそ!第2回は「放送通訳業務の流れ」です。例として私が携わっているCNNシフトのとある一日をご紹介しましょう。 2018年1月8日月曜祝日。私が入ったのは午前7時から10時のシフトでした。放送通訳者はあらかじめ人材派遣会社(エージェント)に登録し、トライアル試験を受けてからデビューをします。私がCNNに携わるようになったのは2004年です...

【第1回】放送通訳の世界「放送通訳ってナニ?」

「首回りがガチガチですね。どんなお仕事なさっているんですか?」 「声を出す仕事です。」 「じゃ、声優さんですか?」 「…いえ、…あの、実は放送通訳です。」 「わぁ、英語できるんですか~!カッコいいですねえ」 マッサージ店での施術が始まると、たいていこのような会話が交わされます。「通訳」という職業は、「英語が堪能」と周囲から見られるようですが、こと私に関する限り、語学力...

【JIF2017】柴原早苗「今こそアナログ志向で~放送通訳に求められること」

柴原早苗 放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳業に従事。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富...

【JIF2016】柴原智幸「何を引いて何を足すか~積極的にコミュニケーションに介入する放送通訳とは」

何を引いて何を足すか~積極的にコミュニケーションに介入する放送通訳とは 放送通訳は、訳出時間の制限があるため、聞こえてきたことをすべて視聴者にお伝えすることはかなり困難です。必然的に情報の交通整理をすることになるのですが、何を引いて何を足すか、ということには常に頭を悩ませています。聞き手が専門家ではなく、また、ニュースを正座してご覧になる方はまずいらっしゃらないので、何か別のことをしながらニュー...