【第7回】シリコンバレー徒然通訳テクノロジーだより「RSIショートカットとファイル自動書き起こし 前編」

皆さんお元気でしょうか。

去年は東京に1年近く移住してまたアメリカに戻ったと思いきや、色々な事情でまた真夏の東京に3か月。アパート探しや家庭の事情で気持ちの余裕がなく、JACI様の「必要なだけ休んでいいよ」という言葉に甘えてすっかり間が空いてしまいました。

バタバタの燃え尽き症候群からも復活し、連載を再開しますので改めて宜しくお願いします。

今回はまずお勧めガジェットから。

「USBミニキーパッド」「ゲーミングキーパッド」などと呼ばれる、PCに外付けできるキーです(図1) 。Bluetooth の物もありますが、充電などが面倒なのでUSBを選びました。

プログラムをダウンロードして各キーに好きなキーを単独や組み合わせで割り当てられます。割り当てはいつでも変更可能です。

私が使っている物は下の写真の右側のタイプで、6つのキーと1つのノブがついています。出張で荷物を小さくまとめたい時は左の3キーのタイプを持って行くこともあります。

(図1 USBキーパッド 2種類)

例えば Zoom 同通の時は、以下のようなキーの割り当てにします。

キーパット上の キーもしくはノブ割り当てるキーもしくは
ショートカット
目的
キー1Ctrl + Shift + C (Windows) Shift + Command(⌘) + Space (Mac)通訳言語チャンネルの切替え (英⇔日など)
キー2Alt + Aミュートのオン・オフ
キー3Alt + Hチャットウィンドウの表示
ノブ時計回りボリュームアップ音量調整
ノブ反時計回りボリュームダウン音量調整

現場ハイブリッド案件でパナガイドとZoom を同時に操作する時などは、Zoom の画面のユーザーインターフェースではなく物理的なキーの押下で通訳チャンネルを切り替えられるのは非常に便利です。

ノブには YouTube の再生速度の加速や減速を割り当てて使うこともあります。ゴミ屋敷の片づけ動画を超高速で見るとスッキリしますよ。

また、自宅ではUSB フットペダル(図2)も床に置いて使っています。これもペダルにキーを割り当てることができます。メモ取りなどで手がふさがっているけど通訳チャンネルは切り替えたいときに、足でペダルを踏むだけなのですごく楽です。ボタンが1つだけのコンパクトなタイプもあります。

(図2 フットペダル)

このようなガジェットは、聞いたことのないメーカーから販売されては消え、また別の聞いたことのないメーカーから同じようなものが次々と販売されるので製品名やリンクは紹介しません。図1の右側の紫のキーパッドは、Amazon Japan のレビューではキー割り当てに必要なソフトウェアが手に入らなかったといういクレームが書いてありました。私はアメリカの Amazon で問題なく購入できましたが、キーパッドやフットペダルの購入時にはお気を付けください。(会員限定の後編へ続く)


黒田玄 (くろだはるか)

慶応大学環境情報学部を卒業後、ソフトウェアエンジニアとして外資系IT企業の開発部門で働いていた時に業務上必要に迫られてやってみた翻訳が楽しくて語学の道へとキャリアチェンジ。 前職経歴やシリコンバレーという拠点の土地柄、スタートアップから大手までIT関係の案件、そして意外と多い製薬や医学関係の案件を中心に活動中。通訳仲間にテクノロジーの活用を広めることを喜びとしている。趣味: ダンス、サッカー、料理(やる気に波あり)、読書。