【第2回】通訳・翻訳学習記-ミドルベリー国際大学院編「いざ入学!生活環境の整理」

皆さん、こんにちは!ニック・コンチーと申します。今回はつくもさんからバトンタッチしてMIISに入学した後の生活環境・引っ越しなどについて説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

コロナ禍の影響

2020年を振り返るにあたって、やはりコロナ禍は避けられません。

私は2020年5月までロサンゼルスにある旅行会社に勤めていましたが、モントレーに行く前に一度妻と一緒にサンディエゴにある実家に帰って、引っ越しの準備をする予定でした。滞在期間としては1カ月程度を想像していましたが、ちょうど同じころにコロナが本格化しアメリカ全国で拡大し始めたので、一時サンディエゴから離れないことにしました。

 当初、1学期の途中でモントレーに引っ越そうと思っていましたが、コロナ禍が長引くにつれ、引越しを延期することにしました。たった1カ月の予定だったはずが、最終的に1年間もサンディエゴで過ごしました。このような問題に直面していた入学生は数少なくないと思います。MIISはその名の通り、国際的な大学院であり、学生が全世界から集まります。全ての授業がオンラインで行われていると、わざわざモントレーまで来る意味がないと判断した方がたくさんいたようです。

一方、海外から参加する学生は深夜に授業を受けざるを得なかったり、あるいは早朝から授業に参加する必要があったりと、時差の問題が色々あったため、途中でモントレーに引っ越した学生もいます。ちなみに日本語プログラムでは、東海岸または日本から参加していた1年生は全員、学期中に引っ越しをしました。最後にモントレーに来たのは、なんと一番近くに住んでいた私です。モントレーに来てもオンライン授業であることに変わりはなかったのですが、2年目は恐らく対面式に戻ると学校側から聞いていたので、早めに引っ越して新しい環境に慣れたいと、私を含め、多くの人が考えていたと思います。

「ズーム化」が続くと、通勤時間がなくなったことを始め、社会的な変化が色々見られました。上半身さえきちんとしていれば下半身がパジャマでもばれないことなど、遠隔学習ならではの体験をたくさん得ることができました。今振り返ってみると、ある意味運が良かったかもしれません。コロナ禍をきっかけにRSI(遠隔同時通訳)が普及してきたことを含め、とにかくこういった変化を最前線で体験できてよかったと思います。

私の個人的な意見に過ぎませんが、学校生活の全てがオンラインになってから、ヴァーチャルと現実の間にギャップが生じてしまい、時間管理がさらに難しくなった気がします。例えば、普段ならばイベントに参加したい場合はイベント会場に行くので、事前に予定を立てる必要がありますが、ズームにて開催されることになると、いつもの机から離れることもないため、意外と開催時間を忘れやすいと気づきました。そこで具体的な時間管理方法としては、アウトルックのカレンダーをしっかり利用することとともに、宿題や用事を毎日リストアップするようにしていました。

モントレーでのアパート探しや生活

2学期目を終えると、私は妻と一緒にアパートを探すためにモントレーを訪れました。モントレーはMIISやDLIなど大学が数か所あるので、アパートに対しての需要が高く、家賃もかなり高額です。短期間の滞在だったので、その時はアパートを見つけることができませんでした。結局ネットで探すことになり、良さそうなアパートを1か所見つけましたが、当時はモントレーに行くことができず、日英通訳の先生にお願いしてビデオ通話で物件を案内していただきました。自分で入ったことのないアパートを借りることはやはり少し心配でしたが、モントレーは治安が良いですし、徒歩で買い物できる便利な場所なので文句は特にありません。アパート自体は少し古めの1LDKにもかかわらず、ネットがちゃんとつながり、暖房も十分効いています。

ただ、カリフォルニアは基本的に物価が高いです。そのため、バイトをする学生がたくさんいます。MIISは多くのアメリカの大学と同様、図書館アシスタントなど、学校関係のバイトを「ワークスタディ」というプログラムを通して提供しています。ベビーシッターやペットシッターなどMIISと関係ないバイトからフリーランス翻訳・通訳まで、学生たちは幅広い分野で働いています。

でも物価が高いと言っても、全体から見てモントレーはとても魅力的な場所に間違いありません。紺色の海や緑の山に囲まれていて景色がとてもきれいですし、アメリカの他の都市と比べて歩行者や自転車に優しいので、町としては住みやすいと思います。レストランやバーの選択肢が豊富で、日本食だと、寿司やラーメン屋さんがあります。ちなみに郊外には韓国スーパーがあるので、アメリカのスーパーでは手に入れにくいアジア系食品はそちらで買うことができます。

 以上、入学後の生活面について話させていただきました。2020年は入学プロセスが例年とだいぶ違ったと思いますが、説明がお役に立てれば幸いです。第3回は、つくもさんがいよいよ1年目の授業内容について説明します。それでは、また今度!


ニコラス・コンチー Nicholas Kontje

ミドルベリー国際大学院モントレー校在学中(2022年5月に卒業する予定)。専攻は日本語の翻訳・通訳。入校前、国際交流員としてJETプログラムに2年間参加し、帰国後は旅行業界で勤務。副業でフリーランス翻訳・通訳として活動する。

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