【第24回】通訳者・翻訳者の子育て「“心のバリアフリー”と自立心を意識して」

(通訳者・大学講師 山崎美保)

下の娘が今春、やっと大学一年生になり、子育てもひと段落でしょうか。振り返ると、自分なりに一生懸命に育児をしたという自負はあります。こう書くと、子どもたちに小さい頃から英語を教えて、いわゆる英才教育を施した、と思われるかもしれませんが、まったく違います。結婚、出産を機に仕事を辞め、時間があったので、育児書を読んだり、先輩ママの話を聞いたり、いわゆる理想の母親像に近づこうと努力はしたと思います。しかし、だんだん自分や子どもたちを枠に入れる不毛な作業に疲れ、子育てには正解がないことに気づきました。
幼稚園の頃には、自身が昔使っていた英語の初級テキストをわざわざ取り寄せてトライしたこともありますが、気がつけば子どもの人格を否定するくらい怒っている自分がいて、これでは英語を嫌いにさせてしまう、ときっぱりやめました。私自身が、小さい頃から英語を勉強したわけではなかったので、「子どもたちも興味があれば勉強するだろう」くらいに思うようにしました。

続きは「通訳翻訳WEB」から