【第14回】通訳者・翻訳者の子育て「国産通訳者の英語育児(前編)」

(執筆:通訳者 中井 智恵美)

蒸し暑い日本の夏とはまるで違うカラっと晴れた8月下旬のある朝、私は祈るような気持ちで、子ども達が四角いコンクリートの校舎に吸い込まれていくのを見守っていました。その日は、二人の娘達が初めてアメリカの公立小学校に通う日だったのです。

2012年6月、夫の仕事で私達家族4人は、アメリカ・テキサス州のエルパソという土地に移り住み、3年間を過ごしました。

私は既に通訳者として仕事を始めていましたが、旅行以外で海外に行ったことはない、いわゆる「国産通訳者」。通訳学校時代から、帰国子女や海外経験のある通訳者仲間にいつも引け目を感じていたため、夫のアメリカ駐在が決まったときは、日本でのキャリアの中断が気がかりではあったものの、海外生活を送る千載一遇のチャンス、と飛びつきました。

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