【JITF2022】松野勝民「MICかながわの活動を振り返って~外国人医療の現状と課題~」

松野勝民(まつの かつみ)

特定非営利活動法人多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)理事長

■略歴

明治学院大学社会学部卒業後、横浜市内の医療機関にソーシャルワーカーとして勤務。
1987 (昭和62)年4月から2016(平成28)年3月まで済生会神奈川県病院医療福祉相談室にソーシャルワーカーとして勤務。2016(平成28)4月より横浜市菅田地域ケアプラザへ異動し現在に至る。
1990 (平成2)年ごろより日常業務の中で外国籍患者との関わりが多くなり、外国人の医療問題に取り組んできた。
その一環でMICかながわ創設時より副理事長として関わり、2013年7月理事長就任、現在に至る。
現在、公益財団法人かながわ国際交流財団評議員、神奈川県外国人医療推進検討会議委員を務めている。

MICかながわの活動を振り返って~外国人医療の現状と課題~

 1990年代に入り「外国人の医療問題」が社会問題化し、新聞・TVでも取り上げられました。しかし、内容は「医療費の問題」でした。在留資格のない人たちを中心とした「健康保険未加入」の外国人の受診・受療問題です。この問題は30年以上経った今でも、抜本的な解決にはなっていません。

 しかし、医療を受けるには「言葉が通じなければ治療にならない」ことは明白です。医療側も患者側も何を伝えたいのか、どうしてほしいのか何もわからないまま治療はできません。そんな中、神奈川県では医療における言葉の問題について、行政と民間の二つの動きがほぼ同時に行われました。そして、2002年にMICかながわが設立され、神奈川県との協働事業として「神奈川県医療通訳派遣システム」がスタートしました。

医療費問題に触れながら、MICかながわの立ち上げから現在に至るまでの活動と「神奈川県医療通訳派遣システム」の概要・今後に向けての要点をお話していきます。

日本通訳翻訳フォーラム2022