【JITF2020】 ジョナサン・ダウニー「見通しが立たない世界において通訳の価値を正しく理解して伝える方法」

ジョナサン・ダウニー

ジョナサン・ダウニー博士はスコットランド・エディンバラ在住のコンサルタント会議通訳者(仏⇔英)、通訳研究者。アレキサンダー・ドレクセル、アレキサンダー・ガンスメイヤー、サラ・ヒッキーとTroublesome Terps ポッドキャストを共同ホストする傍ら、著書2冊を出版。Being a Successful Interpreter: Adding Value and Delivering Excellence (Routledge, 2016)は通訳研究と実務のあいだのギャップを埋める試みであり、Interpreters vs Machines: Can interpreters survive in an AI-dominated world? (Routledge, 2019)は、近い将来、機械は人間通訳者を代替する存在になり得るのかという問いを検討した一冊。このほか、Inside InterpretingというYouTubeチャンネルも運営。

見通しが立たない世界において通訳の価値を正しく理解して伝える方法

クライアントがコスト削減を進める一方、機械通訳の性能は日々向上し、その重要性は増しています。通訳者の将来は明るくないと考える人もいるかもしれません。しかしクライアントの世界に一歩踏み込み、彼らのイベントに参加してみると、良質な通訳に対して適切な対価を支払う用意があるクライアントは確かに存在し、新しいビジネス機会があることにも気づかされるはずです。本講演では、最先端の研究と講演者自身の実体験に基づき、これからの通訳業界で生き残り、そして飛躍するために必要な三点について語ります。

1.クライアントが通訳という仕事の価値をどう捉えているか理解する
2.クライアントの世界に身を置いて時間を使う重要性を知る
3.通訳の価値をクライアントに理解してもらうために、通訳者が自身の仕事に対する考え方を改める

技術的・社会的変革に対応する唯一の有効な方法は、自分自身のアプローチを変えることです。本講演では、なぜアプローチを変える必要があるのか、そしてこれを効果的に行う方法について語ります。