第24回 新春スペシャル☆NEW YEAR, NEW LIFEのススメ(前編)

Posted February 18, 2019

皆様、新年(といっても、旧暦の、ですが…)おめでとうございます!

個人的には、2月の節分の時期にこそ「1年の節目」を感じます。春と言うには外はまだまだ寒いですが、日差しは明るさを帯びてきているし、ベランダの草木も小さな新芽がちらほら顔を出し始め…あの陰陽のシンボル(太極図)でいう「陰が極まって陽に転化する」瞬間が今ここにある!と実感できるんですよね。まさに “NEW YEAR, NEW LIFE”!!

そんなわけで、今年の一発目は「毎日コツコツ新習慣」と「整理整頓」をテーマに、1年のスタートにふさわしいアイテムのご紹介です。

毎日コツコツ新習慣

皆さんは“daily dozen”ってご存知ですか。ちょっとした体操や健康に良い食材など「1日1ダース(個、回、種類、など)」を習慣づけましょう、という意味の言葉です。(“dozen”はあくまで比喩なので、正確に「12」である必要はありません。)ほんのちょこっとでも、毎日続ければ1年後には新しい自分になっているかも?!なんて、なんだかワクワクしてきますよね(取らぬ狸の皮算用?!…笑)

とはいっても、人間は忘れる生き物。1年続けるどころか3日坊主にならないようにするのは至難の業です。筆者も若かりし頃、古文の動詞の活用形をトイレの壁に貼ったり、日課をこなすたびにカレンダーに毎日マジックで✓印をつけたりしたものです。

そして平成も終わろうとしている昨今、そんな「アナログ」なことをしなくても「毎日コツコツ」はわりと簡単にかなえられます。スマホの「毎日肌身離さず持ち歩く」そして「時計が内蔵されている」「通信・通知機能を持つ」という特徴が、まさに”daily dozen”の習慣付けと相性抜群なのです。

この点に目をつけた様々な企業や媒体が、続々と独自の”daily dozen”サービスを提供しています。これらを活用しない手はありませんね。

“daily dozen”の語源は日課のちょっとした運動。普段あまり身体を動かしていない方は、まずはスクワットから始めてみてはいかがでしょう?立ち上がるときに「よっこいしょ」と言わなくなること請け合い(笑)。階段を上る足取りも軽やかに!

Squats by Runtastic

このアプリを起動し、スマホを両手に挟んでスクワットすると、上下動を検知して回数をカウントし、適切な指示を与えてくれます。音声と画面表示のバランスが絶妙で、使う側に立って設計されていることがビシバシ伝わってきます。モチベーションを維持するための工夫も満載。

スクワットといっても侮ることなかれ。ちゃんとやると結構効きますよ。このサイトの動画で正しいフォームを確認してからチャレンジしてみてくださいね。

Runtasticは腹筋やヒップアップ、足踏み運動など、他の部位を鍛えるアプリも充実しています。スクワットだけで物足りなくなったらぜひチェックしてみてくださいね。…といっても、このスクワット、レベル1で連続4回からスタートして連続100回を目指し、その後もレベル2、3と続いていくので…すぐに退屈することはなさそうですぞ(笑)。

お次は、毎朝一杯のエスプレッソを飲むように…。

The Economist Espresso

iOSAndroid

ご存知、イタリア語の“Espresso”は英語で”Express”のこと。「特急便」の名の通り、一つひとつが手軽にぱぱっと読める分量なので、毎日の情報収集・学習に最適です。読んだ記事には✓が付くので達成感もあります。

ここで耳慣れない語句が出てきたら、読み飛ばさずちゃんと意味を調べておくと、いつどこで役に立つか分かりません。例えば “The king of Thailand was cremated after lying in state for a year.”と言われたらどうでしょう。

太字の部分、なんとなくイメージはできるけれど、日本語で正式に何というのか、通訳する時に知っているのと知らないのとでは大違いです。

今時のスマホはiOS・Androidともに、わざわざ辞書やWebブラウザを起動しなくても、単語を選択するだけで簡単に調べられる機能が搭載されています。こちらも併せて活用してみてくださいね。

デイリーなニュース配信サービスなら、こちらもお勧めです。

Forbes Daily Dozen

さらっと読むだけで、フラッシュニュースを聴くように一日の注目ニュースを一通り押さえることができます。詳しく知りたくなったら各段落にちりばめられたリンクをクリックすれば、詳しい解説記事に飛ぶことができます。

続いて、筆者が目下「ドはまり」しているこちら。

世界をログする書き起こしメディア「ログミー」

毎日チェックするならFacebookでフォローするのがお勧めです。

起業家や一流の経営者らのスピーチや対談、パネルディスカッションなど「全文の書き起こし」が配信されるのがポイント。一般読者にとっては「編集によるバイアスがかからない」や「臨場感」などが魅力となるようですが、これが通訳の練習にもうってつけなのです。

日本語から外国語に訳すいわゆる「日(→)英」の同時通訳は、日本で社内通訳などしていると比較的初心者でも練習の場に事欠きません。大勢の日本人の中に少人数の外国人が参加する会議などで、外国人の発言を逐次通訳しつつ日本人同士のやり取りはウィスパリング(「ささやき型」の同時通訳)で「実況中継」するという場面が少なくないからです。

そんなふうにして、駆け出しの頃に「同通なら(英日より)日英のほうが得意」を自認していた通訳者が経験を積んで大きな国際会議の同時通訳の仕事を請けるようになると、いくつか突き当たる壁があったりします(かくいう筆者もそうでした)。

日本人演者が日本人の聴衆に向けて発信するウィットやユーモアに富んだ言い回しの「等価的な訳出」をひねり出すひらめきや瞬発力、そして「起承転結」や「序破急」といった全体の構成を踏まえた「メッセージ」や「思想(ideas)」の伝達です(テニスなどに例えれば、一球一球を正確に打ち返すにとどまらず、試合全体の組み立てまで意識しなければならない、という感じでしょうか)。

ログミーは、内容といい、話し手の顔ぶれといい、いつ自分が訳すことになってもおかしくないようなコンテンツが目白押し。楽しみながら現場の「修羅場」をシミュレーションできるかも?!

筆者は「サイトラ(通訳の訓練法の一つ。頭ごなし訳とも呼ばれます)していますが「これを訳すとしたらどうなるだろうな」と思いながら読むだけでも効果があると思いますよ。例えばこちらなど、いかがでしょう。「日本人は『メシ・フロ・ネル』の発想から脱却せよ

日課を忘れずにこなすために、筆者はこんな風に一つのフォルダにまとめて毎朝チェックするようにしています。

とはいえ、草木の水やりや楽器の練習など、スマホには関係ない活動を日課にしたいことも少なくありません。Todoリストに加えて毎日リマインダーで通知されるよう設定しても良いのですが、買い物リストや突発的なタスク(いわゆるTodo)と「日課」とは分けて管理したいもの。そんな時便利なのが「習慣化アプリ」です。

使い勝手といい、シンプルさといい、ダントツお勧めなのがこちら。

HabitMinder(iOSのみ)

アプリ内課金あり。無料ユーザーは3件まで習慣を管理できます。残念ながらAndroid版はありません。Web検索した限りではLoopが良さげですが筆者はiPhoneユーザーなので使い勝手は未検証です。「習慣化アプリ」または”habit tracker”で検索して自分に合ったアプリを見つけてくださいね。

最後は番外編の「おまけ」です。

National Geographic Your Shot Daily Dozen

気分転換にいかが。心を洗われるような画像をタイトル通りの「12作品」選んで毎日掲載しています。「絵心」の有る方は鑑賞するだけでなく、投稿にもチャレンジしてみては?! 世界中の人たちの目に触れるすごいチャンスです。一眼レフだけでなくiPhoneで撮影した作品もたまに選ばれていますよ。こちらもFacebookでフォローできます。

とうわけで、新春スペシャルの「前編」はここまでとなります。「後編」は今何かと話題の「整理整頓」についてお届けします。乞うご期待!!

平山敦子

Atsuko Hirayama

会議通訳者。得意分野は司法、軍事、IT、自動車など。元米国大統領、経済学者など著名人講演の同時通訳も多数。この仕事を目指したきっかけは大学在学中のアルバイト。スポーツイベントのバイリンガルスタッフとして働いていたが、ある日現役のプロ通訳者と同席、その仕事ぶりを目の当たりにし衝撃を受ける。

「私もこんな風になりたい!」とアルバイトに精を出す(?!)うちに、いつしかそれが仕事に。通訳界では知る人ぞ知るガジェットおたく。パフォーマンスを最大化してくれる優れモノの道具を求め日々研究中。