【JITF2020】佐々木南実「ファン・トランスレーションの時代を生きる  〜MJから韓流まで 歌詞対訳の世界〜」

佐々木南実

都留文科大学 国際教育学科専任講師、(株)ミーム・コミュニケーションズ代表。ポピュラー音楽の翻訳者・通訳者としてキャリアをスタートさせ、J-Wave、MTV、Blue Note Tokyo、Rolling Stone Magazineなど洋楽の現場を数多く経験。小学生の子供二人を連れてのアメリカ留学時代にはタイプの違う二つの連載『通訳翻訳ジャーナル』(イカロス出版)「カリフォルニア発 SLANGスクラップ」、『Kids.com』(アルク)「ママ、なんで英語やるの?」を同時進行。著書に『アメリカ言語療法士が教える英語発音上達法』(日本経済新聞出版)ほか。研究対象を第二言語習得から国際教育に広げ、国際バカロレア機構(IBO)Japanese Translation Lead、OECD/TALIS短期専門研究員を経て現職。

ファン・トランスレーションの時代を生きる 〜MJから韓流まで  歌詞対訳の世界〜

言葉を好きになったきっかけは何ですか? 私はマイケル・ジャクソンやビリー・ジョエルなど、70〜80年代の洋楽です。でも、自分が仕事で彼らの世界に近づいて行くことができるなんて、思ってもいませんでした。金融機関で英文事務の仕事をしていた20代の頃、テレビ番組「夜のヒットスタジオ」でBon Joviの通訳をする田中まこさんの姿を見て、稲妻に打たれました。「私のやりたい仕事はこれだ!」と。それから30年、インターネットの出現によって洋楽とリスナーを取り巻く環境はまったく違うものになりました。ネットにはファンの手による歌詞やアーティスト情報の翻訳があふれています。同時に、SNSはアーティストとの距離を縮め、歌詞の意味について翻訳者が作詞者に直接質問する機会を与えてくれるようにもなりました。価値観が複雑に交錯する時代、それでもクライアントがプロの翻訳を求める理由はなんでしょうか? ポップカルチャー翻訳の未来は? 皆さんと一緒に考えて行きましょう。

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