石塚浩之

【第11回】通訳翻訳研究の世界~通訳研究編~通訳にとって文脈とは―耳だけではダメ!

前回(2019 年秋号)、通訳を支える言葉の理解には二重の推論が関わり、推論には言語情報のほかに文脈が使われるという話をしました。では、文脈とは具体的に何を指すのでしょうか。今回は、「通訳者の使う情報は耳で聞く言葉だけではない」というお話です。 そもそも文脈とは? 前回、関連性理論(*1)の立場から、言葉の解釈には二重の推論が関わるという話をしました。今回は、その続きで、関連性理論にお...

【第9回】通訳翻訳研究の世界~通訳研究編~ 通訳者の頭の中―二重の推論と訳出―

通訳をしている際に頭の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。今回から、この連載では「通訳者の頭の中を見てみたい!」をキャッチフレーズに、通訳における言葉のありかたについて考察します。今回は、言葉の理解に必要な二重の推論について取り上げ、これが通訳とどう関わるかについてお話します。 当たり前のようで、そうではないこと 通訳教育ではよく「言葉にとらわれずメッセージをとらえなさい」と言われ...