第5回|海外旅行・出張に役立つアイテム~番外編

update:2016/12/01

早いもので、今年も残すところ数週間となりました。Facebookのタイムラインには初滑りの報告とともにゲレンデの白い雪景色の写真がちらほら。フリーランスなら予定表にも「白いところ」が目立ち始め…(笑)。とうとう冬の到来です!

そんな「白いところ」を利用して海外でリフレッシュする方もいらっしゃるかもしれませんね。今回の「番外編」では、海外旅行や出張で知っているとトクする「制度」についてご紹介します。

最初にご紹介したいのは「JGCとSFC」です。

ご存知、日本航空(以下JAL)や全日空(以下ANA)にはマイルとは別に、飛行距離や回数に応じたポイント制度があり、その条件を満たすと、JALではサファイヤ、ANAではプラチナなど、上級会員として様々な優遇サービスを受けることができます。具体的にはラウンジの利用や専用のチェックインカウンター、優先搭乗、手荷物の優先扱い、荷物の重量制限、空席待ちなど、ビジネスクラスを利用した時と同等のサービスをイメージしていただければ良いと思います。

ただし、これらの資格には有効期限があり、毎年条件を満たして資格を維持し続けない限り、いずれ優遇サービスを受ける権利は消滅してしまいます。

なんと、それを年間数千円からの出費で一生享受できる方法があるのです!!!

それがJGCとSFC。JGCは「JALグローバル・クラブ」、SFCはANAの「スーパー・フライヤーズ・カード」の略で、ざっくり言ってしまえば「航空会社がヘビーユーザーのみに提供する”超スペシャル”なクレジットカード」です。

いずれも、サファイヤ/プラチナ以上の会員期間中にのみ申し込むことができるのですが、一旦このクレジットカードを作ってしまえば、カード年会費を払い続けている限り、未来永劫「上級会員と同等の扱い」を受けることができるのです!!なんとまあ、超スペシャルなカードではありませんか!!?

今年サファイヤやプラチナ会員に昇格したけれど、クレジットカードのダイレクトメールは中を見ずにポイッ!としていたなんて方、まさかいませんよね?!会員期限が来る前にぜひ、ご検討を!!(同一世帯のご家族にそういう方がいれば、家族カードも作れます)

現在ルビーやブロンズの方は、あと何ポイントでその上に昇格できるか今すぐチェックしましょう。今年もまだ数週間あります。場合によってはギリギリ間に合うかもしれません(笑)。

飛行機に乗る機会は多いけれど、航空会社にこだわりの無かった方、来年は一社に絞ってみましょう。それだけでも、ぐっと可能性が高まりますよ。

そして「私には縁がないわ」と思っている方にもちょっぴり朗報です。年に何度もヨーロッパやアメリカにビジネスクラスで飛ばないとサファイヤやプラチナ会員になれないわけではありません。飛行ポイントには貯め方のコツがあり、そのテクニックを駆使してJGCやSFCを目指すことを、その筋の間では「修行」と言います。各社のコーポレートカラーになぞらえ、それぞれ「赤(紅)組修行」や「青組修行」とも呼ばれ、同時に両方を目指す勇者は畏怖の念を込めて「紫組」と称されます(笑)。

基本的には「ショッピングやポイントサイトで貯めたポイント(例えばPontaやTポイントなど)をマイルに交換→そのマイルを航空会社の電子通貨に交換→電子通貨で飛行ポイント変換率の高い国内便やアジア便の席を購入」という手法がメインですが、ためしに「JGC(またはSFC)修行」と検索してみてください。出るわ出るわ…「修行僧」のブログが…(笑)。

修行に励むあまり、客室乗務員さんに顔を覚えられ恥ずかしい、その時の対処法・・・なんてものまで(笑)。その時々、最も効率の良いポイント獲得方法は変わりますので、興味のある方は修行僧たちの最新ブログをチェックして臨んでください。

どんなに世界を股にかけて活躍している方も、いずれ引退する時が来ます。「おじいちゃん」「おばあちゃん」になっても海外旅行を楽しみたい、そう思っている方も少なくないはず。一度でも深く濃い関係を持ってくれたお客さんの恩は忘れない、その人が年金生活者になっても第一線で活躍していた頃と変わらぬサービスを約束する、しかもこっそりと(笑)…なんて航空会社も粋なことをしますよね。

最後にご紹介するのは「指紋認証パスポート

ここ何年も、これのお陰で成田や羽田の出入国審査で並んだことはまずありません。初回のみ空港で手続きが必要ですが、通常は数分で済んでしまいます。こんなに便利なのに、不思議とあまり利用者がおらず、いつもガラガラ。まだの方はぜひ、次回の旅でトライしてみてください。あまりの快適さに感動しますよ。

ヘルシンキ・ヴァンター空港にもこのゲートがあってビックリ!長蛇の列を横目に余裕で手続きしました。(利用方法はこちら)ヨーロッパに到着したばかりの日本人にとってこれは本当にありがたいことです。

この空港は素敵なお店もいっぱいで、待ち時間も苦になりません。欧州各国へのゲートウェイとして、機会があれば利用してみてくださいね。

というわけで、「番外編」いかがでしたか? 筆者は「赤組修行」解脱者ですが、クライアント指定の便がANAのエコノミーだったりすると、落差が辛く感じる今日このごろ。来年は青組を目指そうかな?、などと思案中です。同志よ、ともに頑張りましょう(笑)!

本コラムは、今年はこれが最後となります。皆様、良い年末をお過ごしください。新年もまた元気にお会いしましょう!

平山敦子

Atsuko Hirayama

会議通訳者。得意分野は司法、軍事、IT、自動車など。元米国大統領、経済学者など著名人講演の同時通訳も多数。この仕事を目指したきっかけは大学在学中のアルバイト。スポーツイベントのバイリンガルスタッフとして働いていたが、ある日現役のプロ通訳者と同席、その仕事ぶりを目の当たりにし衝撃を受ける。

「私もこんな風になりたい!」とアルバイトに精を出す(?!)うちに、いつしかそれが仕事に。通訳界では知る人ぞ知るガジェットおたく。パフォーマンスを最大化してくれる優れモノの道具を求め日々研究中。