第4回|特集・ためしてジッケン?!~Apple Watch2を通訳現場で使ってみました!~

update:2016/11/10

普段はアプリや便利グッズを紹介する本コラムですが、今回は先日入手したばかりのApple Watch2をレポートします!!

「特集・ためしてジッケン?!」(あら、どこかで聞いたような響き…笑)では、読者の皆さんも気になっているかもしれない噂のグッズを、このワタクシめが「人柱」となって試していきます。この特集は不定期ですが今後もお届けしますのでお楽しみに!

Apple Watch2(以下AW2と省略)は、バッテリー持続時間が増え防水機能が搭載されたことで、発売早々気になっていました。そんなある日、アップルから届いた新製品の販促Eメール 。「今すぐ購入」というボタンがあったので「えいっ!」とクリックして………待つこと3週間(笑)。ハイ、今すぐ「購入」であって、「入手」できるとはどこにも書いていませんね…。「Buy Now」の直訳なのか知りませんが、アップルのこういうところにたまにイラッとくる…でも結局は大人しく届くのを待っている自分がいます(笑)。

真っ白でやたら立派なケースに入って届いたピカピカのAW2。待ちくたびれてダダ下がりだったテンションが一気にUP!!!ツンデレの彼氏に振り回されるってこんな心境なのかしら(笑)。

嬉し恥ずかしの初期設定では「言語」や「国」のほか、どちらの腕にはめるかも聞かれます。腕時計ならではの質問ですね。どうしてそんな情報が必要なのか、少し不思議に思っていたのですが、使ってみてすぐに納得!文字盤の向きがこれで決まるんですね。さらには、AW2の画面は普段は真っ暗で、文字盤を見ようと手首の角度を変えた時だけONになるからなんです。早速感動してしまいました!

各種設定は、iPhoneとAW2の両方を行ったり来たりしながら行います。仕事柄、アラーム音はご法度なので真っ先に消音に設定。その代わり触覚(Haptics)をONに。これで、画面を見ていなくてもメールの着信やアラームなど軽い振動で知らせてくれます。文字盤のデザインが選べるので、真ん中にアナログ時計、四隅に「カレンダー」「Spark(メールアプリ)」「タイマー」「心拍数」のショートカットを配置してみます。

問題の防水機能を検証すべく、早速ベルトを防水仕様のものに付け替えて(工具がなくても簡単に交換できます)シャワーを浴びてみました。結果は…私がこのように平常心で執筆を続けていることからもお分かりいただけますね(笑)。

翌日、同時通訳の仕事が幸い何度か経験のあるクライアントだったので、新しいことを試す余裕ありと判断し、早速タイマーをデビューさせてみました。スピーカーが早口だった時に備え、30分の講演を4分割して交代時間は「7分強」。10分や15分の交代時間は身体が覚えていて、だいたいその時間が近づいてくるとタイマーをちらちら気にし始めるものですが、7分間だとそうはいきません。AW2は時間がくると小刻みな振動で通知してくれるので助かりました。

わざわざ今持っているタイマーからこれに乗り換えようとは思いませんが、十分実用に耐えるものだという印象です。タイマーをうっかり家に忘れたときはもちろん、ブースの中が暗い時(これ、よくあります…写真参照)にも明るくて見やすいですし、振動で知らせてくれる機能は立食パーティーや施設見学などの「立ち仕事」で交代する時にも重宝しそうです。

ただ、繊細な方は手首で「プルッ」ときたら「ビクッ」としてパフォーマンスに影響してしまうかも?!そんな時は、しばらくは普段使いで「触覚通知」に慣れてから現場デビューさせた方が良いかもしれませんね。

Sparkというメールアプリ(Android未対応)は、以前「リレーコラム」でもご紹介したように「スヌーズ」というとても便利な機能があります。それだけでも充分オススメなのですが、このアプリのもう一つの目玉である「クイック返信」も凄いんです。これがAW2でさらに威力を発揮することが分かりました。

「クイック返信」は定型文をアイコンとともにあらかじめ登録しておくと(上写真参照)、その文章をボタンのクリック一つで返信できるというもの。同コラムで紹介したiPhoneの「ユーザー辞書」よりさらに迅速な返信が可能です。AW2では、メールを開いて内容を確認したあと、末尾の「返信」をタップすると、右の写真のように事前設定した定型文のオプションが表示され、なんとそれを選ぶだけで返信出来てしまうのです!!5秒内返信どころか、更に2秒ほど短縮できるかもしれませんね(笑)。

送られてきたメールはこんな感じ(写真参照)です。ちょっと味気ない文章ですが、数秒で送ることができるので、一刻も早く結果を知りたい相手にはとても感謝されますよ。たとえそれが断りのメールであったとしても、派遣会社の担当者から送られてくるお返事には、必ずといっていいほど迅速な返信への感謝の言葉が添えられています。

「触覚通知」を設定していると、通訳中にメールが来たときにタイマーと間違えてちょっと紛らわしいこともあります。通訳している最中は機内モードにするなど今後は工夫が必要かな?!ただ、個人的には、しばらく使っているうちに慣れて何とも思わなくなるような気もしています。いずれにせよ、スマホをいちいち見なくてもメールが来たと分かるのは素晴らしいことだと思いました。

最後にご紹介するのは心拍数計です。もしかするとこれが一番試してみたかった機能かもしれません(笑)。AW2で測ると、私の場合、座って普通に会話しているときの心拍数が65~70あたり。激しい運動をするせいか、女性の平均としては若干低めかもしれません。同時通訳をしているときは、常にチェックしていたわけではありませんが、だいたい85~95の範囲内で、高い時は一瞬だけ105前後まで上がりました。ちょっと歩くだけでも115くらいになることを考えると、それほどでもないですね。もっと上がると思っていたので拍子抜けです。頑張りが足りないのでしょうか(笑)。ただ、自分の番が終わったところで「一息つきましょう」という健康アドバイスが表示されていました(笑)。

慣れ親しんだクライアントの仕事だったのでその程度の上昇で済んだのかもしれません。難易度の高い内容で、講演者の訛りが強い、あるいは極度な早口だった場合にはもっと上がるのかな?!過酷な条件下で通訳すると心拍数が一体どうなっていくのか、機会があれば(無いに越したことはありませんが 笑)またご報告します。

というわけで「特集・ためしてジッケン?!~Apple Watch2を通訳現場で使ってみました!~」いかがでしたか? AW2は、本コラム執筆後にスタートしたSuicaサービスをはじめとする便利な機能が満載です。現時点で使い始めてまだ1週間とちょっとですが、毎日が驚きと感動の連続!? もう少し使いこなせるようになったら、またレポートしますので乞うご期待!!!

平山敦子

Atsuko Hirayama

会議通訳者。得意分野は司法、軍事、IT、自動車など。元米国大統領、経済学者など著名人講演の同時通訳も多数。この仕事を目指したきっかけは大学在学中のアルバイト。スポーツイベントのバイリンガルスタッフとして働いていたが、ある日現役のプロ通訳者と同席、その仕事ぶりを目の当たりにし衝撃を受ける。

「私もこんな風になりたい!」とアルバイトに精を出す(?!)うちに、いつしかそれが仕事に。通訳界では知る人ぞ知るガジェットおたく。パフォーマンスを最大化してくれる優れモノの道具を求め日々研究中。