【第14回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「アイデア次第で快適に」

前回のライフハックスでは私自身が工夫している生活の知恵をシェアさせていただきました。あれから数か月。実は少しずつ自分の持ち物を見直しており、使っていないものや、自分にとっての「卒業」となるモノを処分し始めています。中でも大きかったのが、「自分の掲載誌や投稿の文章」です。以前の私は自分が寄稿した文章などをすべてボックスに入れ、満杯になれば日付を記載して保管していました。「いつか読み返すかもしれない」「まとめて本に出来たら良いな」といった淡い期待(?)を抱いていたのです。

けれども片付けをし始めた際、それらの箱(30個ぐらいはありました)をここ20年、一度も見返していないことに気づいたのですね。「これまで箱を開封しなかった=今後も開けることは無い」と判断し、思い切って処分したのでした。過去の自分が書いた文章を読み返すよりも、もっともっと読者の方のお役に立てるような文を今後書いていくことに尽力した方が良い、と思ったからなのです。1箱目を捨てた時は心が痛まないわけでもなかったのですが、どんどんごみステーションに入れるにつれて、過去と潔く別れることができたように思います。これで大分スペースにも余裕が生まれました。

少ないモノで暮らすようになると、逆に限られたアイテムでの工夫がしやすくなるのですよね。そこで今回は、身の回りのあるもので私自身がトライしてみたことをご紹介いたします。

1. S字フック

 家の中の空間というのは、平台の上だけではありません。上の空間もどんどん活用すれば「常時テーブルに置きっぱなし」といった状況を防げます。たとえば我が家の台所であれば、S字フックを蛇口の金具に付けてタワシを引っかけたり、脱衣所の扉にもフックをかけてゴミ袋を下げたりという感じで活用しています。ゴミ箱は下に置いておくよりも、少しでも手の位置に近い方が捨てやすくなります。

2.パーカーの干し方

 フード付きのパーカーを洗って干した際、フードや首の部分がなかなか乾きません。パーカー専用のハンガーも売られていますが、それ「だけ」のために買うのもためらわれました。そこでベランダの物干し竿を改めて見てみると、竿の端がフックから少しだけ飛び出していることを発見。そちらに寄せてハンガーをかけ、フードを飛び出している部分に引っ掛けることを思いつきました。

3. パンの留め具でコードラベル

 家電のたこ足配線。ついついごちゃごちゃになってしまいます。しかもテーブルの下や家具の裏などをたこ足状態にしてしまうと、何がどの家電のコードかわからなくなりますよね。私は食パンの留め具のプラスチックに油性ペンで具体的な家電名を書き、それをプラグ部分にはめています。「トースター」「電気ポット」という具合です。

4.ヨーグルト容器の活用

 我が家は毎日ヨーグルトを食べるため、空き容器が結構たまってきます。これをよく洗って残り物を入れたり、棚の中の仕切りにしたりと「第二の人生」を与えています。もともと捨てるものですので、汚れてきたら処分するだけ。炒め物などを保存する際、蓋がきちんと閉まるのもありがたいところです。

5.アロマポットは寝室に

 アロマオイルをプレゼントで頂いたため、電気のアロマポットを購入しました。ずいぶん前のことです。最初のうちは玄関やリビングなどで楽しんでいたのですが、そのうち飽きてしまったのですね。一方、お世話になっている眼科医から「冬の就寝時でも目は乾燥するので、加湿器があると良い」とのこと。そこで、行き場を失っていたアルマポットを寝室に置くことにしました。就寝前に少しだけオイルを垂らし、スイッチを入れると心地よい香りが漂い始めます。リラックス効果も大です。

6.あえてソファにぬいぐるみ

 以前はソファの上に何も置かない方がすっきりしていて良いと思っていました。その一方、頂き物のかわいいぬいぐるみ(限定版)をずっとクロゼットの中に収納し続けていたのですね。そこでこのぬいぐるみをあえてソファの上へ。可愛さはもちろんなのですが、ソファの上でくつろぐ際、そのぬいぐるみを抱っこしてみると、和むことがわかりました。ぬいぐるみは子どもだけでなく、大人にも癒し効果があるようです。

7.床に置いてもOK

 それまで私はプリンタを机の上に置いていました。でも意外とかさばるため、机のスペースが狭くなってしまうのがネックでした。そこでふと考えたのが「別に床に置いても良いのでは?」ということ。机の下に丁度良いスペースがあったため、移してみました。おかげで作業スペースが増えて助かっています。

8.和室の家具

 和室というのは基本的にはあまり家具を置かず、布団の上げ下ろしをして使うというのが正しいのでしょう。でもいかんせん、スペースに限りがあるわけですので、和室に勉強机や本棚、チェアなど「畳に跡が残りそうな家具」を置かざるを得なくなります。マットを敷いたり、専用のクッションなどを使ったりできますが、私があえて使い始めたのは「バスタオル」です。実はどうしても捨てられない思い出のバスタオル(子どもたちが幼少期に使ったもの)がずっとクロゼットの引き出しに眠っていたのですね。せっかくですので、これを敷くことにしました。

9.たこ足配線の隠し方

リビングにある無線LANのルーターや電話のコード、テレビアンテナコードなど、床にはたこ足配線状態でたくさんのコードがつながっています。部屋の隅の床に放置しておけば、きちんと掃除をしない限り埃だらけになってしまいます。さりとて台に乗せて視界に入れるのもパッとしません。一方、「そろそろ捨てようかな」と思っていた籐のゴミ箱があり、そちらにルーターやコード類をまとめて入れたところ、ぴったりと収まりました。さらに子どもが昔お弁当包みに使っていたバンダナを蓋の代わりにかぶせたところ、丁度良い埃よけに。スッキリしました。

10.懐かしのものは厳選して「飾る」

 たとえば子どもたちが幼少期に夢中になって遊んだ積み木や木琴。他のプラスチックおもちゃはかなり処分しましたが、この2点だけは思い出が沢山詰まっており、しかもぬくもりを感じられる木製であるため、手元に残しておくことにしたのですね。しまいこんでしまえば「無いも同然」になりますので、あえて出してリビングの台の上に。木琴をときどき奏でてみたり、積み木でオブジェを作ってみたりというのも心和むひとときです。

 いかがでしたか?今回は私が生活面で工夫してみたことをご紹介いたしました。快適さと癒しというのは、日々を幸せに生きる上で大切なのではと思っています。


柴原早苗(しばはら さなえ)

放送通訳者。獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳業に従事。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。