【JIF2025】鈴木小百合「NOW&THEN エンタテインメント通訳の移り変わり」

鈴木小百合

東京生まれ。小学2年から中学2年までをオーストラリア、シドニーで過ごす。

帰国後、聖心インターナショナル・スクール中等部に編入し、72年に同高等部を卒業。国際基督教大学教養学部語学科で異文化間コミュニケーションを専攻。大学卒業後、広告代理店勤務、イベント会社勤務などを経て、フリーの通訳・翻訳家に。演劇の現場での通訳としてスタートを切る。

その後、ジョン・パトリック・シャンリィの『お月さまへようこそ』を皮切りに戯曲翻訳を手がけるようになる。2007年には、戯曲翻訳2作品に対して「第14回湯浅芳子賞」受賞。

この他に日本の演劇作品の海外公演用の英語字幕を手がける。 通訳としては、映画のプロモーションで来日するハリウッド・スターや監督たちの通訳を担当。また東京国際映画祭での通訳を30年以上に渡り担当。オープニング・セレモニーや授賞式、舞台挨拶や記者会見などで、歴代首相、及び各国の映画監督、製作者、俳優たちの通訳をする。2013年からは麗澤大学外国語学部客員教授も務める。

NOW&THEN エンタテインメント通訳の移り変わり

エンタメ業界で長く通訳を続けてきて、時代と共にプロモーションも仕事内容も変わってきました。バブリーな時代を経て、現代のSNS、オンライン、AIという社会現象が通訳者にどう影響しているのか。新聞や雑誌の取材と記者会見だけの時代から、華やかなレッド・カーペット、趣向を凝らしたイベントや舞台挨拶の時代へ。「誰もやっていないことをやりたい」というのが口癖のトム・クルーズの要望に応えて様々なプロモーション企画が実行されました。私が経験した大掛かりなイベントの具体例を挙げていきます。

そして、36年間関わってきた東京国際映画祭の移り変わりも交えてお話しさせていただきます。

コロナや組合のストライキで来日が中止になり、オンラインへとシフトしていく中で、通訳者も対応を迫られましたが、今年は「ミッション・インポシブル:ファイナル・レコニング」や「F1-エフワン」でのブラッド・ピットの来日が実現したように、ブロック・バスター映画の来日プロモーションは今後も続いていくと思われます。

エンタメ通訳に必要な資質なども含めて解説いたします。

日本通訳フォーラム2025