【第6回】通訳者としてお役に立つために

(執筆・稲垣富美子

通訳は「お役に立ってなんぼ」の商売だと思っています。

会議通訳者をしていると、この仕事はライブだと感じます。聴衆の反応からその場で、お役に立てているかどうかが実感できる職業です。そういう職業はあまり多くないのではないでしょうか。そして、この特質は恐怖にも大いなる喜びにもなり得るものです。

ある学会での通訳業務の終了後、通訳エージェントの方から「今日は通訳用イヤホンを途中ではずす聴衆がいなかった。前回はたくさんいた。」と言われまし た。この告白が会議の終了後で本当によかったです。先に聞いていたらお腹が痛くなっていたでしょう。その会議はQ&A以外は英語で行われており、 基本的に通訳用イヤホンの利用者は日本語で発表を理解したい方々です。だからと言って英語を全く解さないという訳ではなく、日本語で聞く方が楽だからとい う方も多くいらっしゃいます。

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