【第2回】現役通訳者のリレー・コラム「IR通訳とテニス」

(執筆・丹埜段

私は通訳者として、少し変わった育ち方をしてきました。

10年間のサラリーマン生活を経て、通訳者に転向しました。通訳学校に行きはしましたが、たった半年。しかも、生来の飽きっぽさも手 伝って、その半年間すらあまり熱心に通っていません。大手通訳エージェントへの登録をモタモタと進めている内にたまたま縁があってインハウス通訳者になり ました。自身がエージェントとしての顔を持った今では、大手通訳エージェントといくつかの接点がありますが、通訳者としてはほとんどありませんでした。

先輩通訳者との関係についてはどうか。通訳者になった当初からの通訳者の友人・知人はいますし、通訳者としてリスペクトしている人もいますが、「大先輩として憧れている」的な存在の通訳者は私にはいません。

そんな自分、つまり、通訳学校からも、通訳エージェントからも、先輩通訳者からも距離を置く自分を育ててくれたもの、それがIR通訳です。今回の記事では、私にとって大事な存在であるIR通訳について書かせていただきます。

続きは「翻訳・通訳のトビラ」から